特集 染色加工(9)/染色加工場の効率化に貢献/日阪製作所/伊藤忠マシンテクノス/村田機械/SANDO TECH/松井色素化学工業所/東伸工業
2026年08月28日 (金曜日)
〈日阪製作所/中国は好調持続/ACCSへの注目高まる〉
日阪製作所は、今期(2027年3月期)からの中期計画で、国内染工場との関係深化とともに、海外市場での拡大を重点方針に定めている。足元では中国の好調が続くほか、小ロット対応や省人化に対応する機種を中心に日本市場での販売も堅調に推移している。
今期の液流染色機「サーキュラー」の日本での販売は、前期比増で推移する。特に小ロット対応への要望が増えているのが特徴で、小回りの利く小サイズの販売も伸びている。
自動走行補正システム「ACCS」への引き合いも多い。染色機の運転条件を細かく設定することなく効率的な生産を実現するため、導入した染工場の多くがその後の設備投資でも継続して採用する。新台の販売ではほぼ全てに採用されるようになったほか、既存設備をACCS仕様に改造する要望も増えているという。人手不足が深刻化する中で省人化や、多能工化による限られた人材の有効活用を重視する企業が増えていることなどが背景とみられる。
海外では中国市場での好調が続く。アウトドアを中心に中国内需の市場が成長しているほか、中国企業の海外工場を含めて需要が伸びている。日阪〈中国〉機械科技は足元もフル生産が続いており、今期は前期比1・5倍の年産300台を視野に入れる。
〈伊藤忠マシンテクノス/新型コンパクター提案/生産性など向上〉
伊藤忠マシンテクノスは、ビアンコ(イタリア)の新型チューブラーコンパクターの日本での提案を開始する。装置内の各部をアップグレードすることで、生産性や仕上げ品質などが向上している。
提案を始める新型チューブラーコンパクターは、ヒートシリンダーが直径500から600ミリにアップグレードされ、生産性向上や優れた防縮性を実現している。
装置入り口にはダブルスチーマーが装備され、生地に十分な水分を与えて柔軟性を向上。エンドレス圧縮フェルト(100% Nomex)からヒートシリンダー(電気式ヒーター・最高温度140℃)までは生地のテンションをロードセルで検知し、リラックスされた状態で圧縮ゾーンに送り込む。圧縮ゾーン直前は、生地を把持するマグネットスプレッダーでストレッチする機構になっている。ストレッチャーは左右独立の駆動モーターを装備し、オーバーフィードの調整を容易にする。これら細部への改良が、高品質な製品づくりに寄与するという。
圧縮ゾーンは、厚み21ミリの圧縮フェルトでチューブの上下両面を均一にコンパクションさせる。各圧縮ゾーンでは270°の生地接触面積となり、高い防縮効果を得られる。圧縮ゾーンに続く冷却ゾーンで生地の温度を下げ、畳みジワを防止する。自動畳み装置、もしくは棒巻き装置の選択が可能。
同装置はアジアではインドネシア、インド、バングラデシュでの販売が好調に推移している。日本での販売はこれからだが、アパレル特にインナーウエア向けに販促を進める。
〈村田機械/ソフト巻き用にも注力/今治で3台目を導入〉
村田機械は自動ワインダー「AIcone」(アイコン)を、染色のソフト巻きや小割りなどにも提案する。高生産性や自動化、省エネ、多様なパッケージ対応などが特徴で、今治などで導入が進んでいる。
世界トップシェアを持つ自動ワインダーは精紡機用が中心だったが、近年はコーントゥコーンの染工場や製織工場に向けた提案も進めている。日本では今治や尾州で導入が進んでおり、今年は今治での3件目の導入も決まった。
当初はオートドッファー機能による省人化や生産性向上による作業時間短縮など人手不足への対応として導入が進んだ。足元では、糸切れ時のスプライサーによる結び目のないスムーズな糸つなぎや、国内拠点からのサービス体制などへの注目も高まっている。
6月からはコーントゥコーンでの残糸処理装置付きの展開も始まった。今後は染工場に加え、製織や糸加工などでの提案も強化していく。
今治では、「VORTEX」(ボルテックス)の糸の紹介にも力を入れる。エアの旋回流で糸を紡ぐ製法により、吸水性や毛羽が少ないなどの糸特性が得られる。タオルではパイルが寝ないなどの特徴も出るという。
〈SANDO TECH/社内の試験機拡充/開発・提案力を強化〉
連続式染色・仕上げ機械の総合メーカーSANDO TECH(和歌山市)は、社内に設置する試験機を充実させ、顧客に密着した開発力と提案力を強化する。
これまで設置していたハイブリッド洗浄機の試験機に、乾燥機を加える。これにより、洗浄から乾燥まで一貫して試験ができるようにする。さらに、納入実績が増えているカスケード式のエコヒート洗浄機の試験機も設置する計画だ。従来から試験機の稼働率が高く、試験機の充実を通じ、顧客に密着した開発力と提案力を高める。
このほど設置したセラミックフィルターのろ過試験機では、顧客の排水サンプルで試験を進めている。セラミックフィルターを使うことで、微細なものを取り除くことができ、耐熱性も高く、洗浄することで繰り返し使用できる。排水負荷の軽減などに向けて提案する。
同社の染色関連機器の国内販売は今期(2027年2月期)、前期に比べ3割増で推移している。部品供給や修理を含めたアフターサービスに力を入れる中で、移設関連の工事対応やそれに伴う改良などが増えているという。サービスを強化する中ではメーカーが既に廃業した古い機械の改良などの要望にも応えていく。
海外販売は中東情勢の緊迫化もあり横ばい。染色機器全体では前期に比べ1割強の増収となっている。
〈松井色素化学工業所/DTFなどがけん引/4月から高速タイプ発売〉
顔料はじめ色材など製造の松井色素化学工業所(京都市)はDTFプリンター(特殊フィルムにデザインを印刷し、熱プレスで素材に転写する印刷機)を中心としたインクジェット関連事業を拡大する。
インクジェット関連事業は現在、売上高の約半分を占めるまで成長した。インク販売だけでなく、2018年からスタートした機器販売がけん引する。同年から販売を始めたポルトガル製DTFプリンター「ROQ」はこれまで30台超を納入した。
21年からは中国製DTFプリンター「アートジェット」の取り扱いを開始し、累計販売台数は270~280台に達するという。今年4月からは中国製の高速タイプの販売も開始し、既に4台を納入した。中島博史社長は「プリンターがインク販売との相乗効果にもつながっている」と手応えを示す。
新規事業にも挑戦する。世界で初めて実用化した、水に触れると発色する色素を活用した、水だけで文字が書ける習字用半紙「ジェデール紙」もその一つで、3月に発売した。中島社長は「自らの力で売れる商品を育てていきたい」と話す。
インクジェット関連事業がけん引し、直近は2期連続の増収増益。今期(26年10月期)も増収増益で推移する。
〈東伸工業/製品用IJを強化/新ブランド立ち上げ〉
東伸工業(兵庫県尼崎市)は、フラットスクリーンやロータリースクリーン、インクジェット(IJ)など全方位型で捺染機を展開していく。需要が伸びているオンデマンド生産に向く機種も製品用IJを中心に強化し、「mm9」(エムエムナイン)ブランドとして展開していく。
mm9では、利便性などオンデマンド生産やDtoCなどで増えている新たな要望に応える機種をそろえる。「ICHINOSE」(イチノセ)ブランドとは別のラインとして展開していく。
この中で製品用デジタル捺染機を拡充する。DTG(ダイレクト・トゥ・ガーメント)のIJは、島精機製作所から「SIP」事業を譲受し、4月から本格展開を開始した。水性UVインクIJも開発中で、11月に米国で開かれる展示会で発表する予定。
DTF(ダイレクト・トゥ・フィルム)は、自社設計・委託生産による中国機を展開しており、600ミリ幅に加えて1200ミリ幅も展開するなど品ぞろえを広げる。
mm9を打ち出す一方、従来から展開するテキスタイル用の捺染機も進化させていく。ロータリースクリーン機では、導入費用を抑えるための海外生産など顧客の要望に沿った開発を検討していく。
中国のATEXCO(アテスコ)との協業もさらに進める。日本市場以外での協業も検討する。





