ごえんぼう

2026年08月31日 (月曜日)

 最近、麻がブームだ。2004年まで徳島県に麻植(おえ)郡があった。古来、麻と縁深く、大嘗祭にこの地の麻で織った「麁服(あらたえ)」を朝廷に貢進したとされ、令和の大嘗祭(だいじょうさい)にも調進された▼近年、邪馬台国阿波説が注目される。論拠の一つが朱。阿南市の若杉山辰砂採掘遺跡では、弥生後期から古墳前期に、朱の原料となる辰砂が採掘・精製され、『魏志倭人伝』にも倭の山には「丹」があると記される▼謎を誘うのが『阿波国風土記』。奈良時代に編さんされたとみられるが、逸文しか残らない。後世まで原本が残っていたものの、記された何かを隠すため意図的に「封印された」とする説も▼阿波には板野、石井、祖谷(いや)など「イ」の付く古い地名が多く、少数派ながら古代は「イの国」だったと唱える人もいる。志賀島の金印「漢委奴国王印」の「委」を「ワ」でなく「イ」と読む方が自然との説もある。麻が古代の謎を解く鍵の一つになれば面白い。