特集 アパレルパーツ(4)/副資材トップに聞く 現状認識と展望/カジテック/ミツボシコーポレーション/三宅臣/伊豆義/田窪
2026年08月31日 (月曜日)
〈カジテック 社長 梶浦 昇 氏/ベトナムで備蓄開始〉
2026年1月期は、商社経由の大手SPA向けが減少したことや、米国の関税問題で海外アパレルが一時的に発注への伸長姿勢を強めたことが影響して減収減益だった。近年拡大に力を入れるユニフォーム向けは微増だった。
今期は海外アパレル向けが拡大基調に戻ったうえに非衣料向けも伸びており、計画も上回る推移となっている。ただし電池卸事業からの撤退により前期比では横ばいになりそうだ。
国内向けは厳しい市況だが、初めて出た物流関係の展示会は大きな手応えを得ることができたため、継続出展する。
引き続き海外市場向けの拡大がテーマになる。ベトナムの「サイゴンテックス」と「ハノイテックス」、中国の「インターテキスタイル上海」などに出展し、販売拡大を狙っている。
ベトナム法人では、中国に続いてプラスチックホックの備蓄を始めた。高まる地産地消ニーズや小口・即納ニーズに応えるためだ。ここを軸に、ミャンマーやバングラデシュ、インド向けも伸ばしていく。得意分野と位置付ける子供服やユニフォームを主な拡大対象に、提案を強めていく。
〈ミツボシコーポレーション 社長 中塚 一夫 氏/既存事業を一段伸ばす〉
2026年9月期は売上高、利益ともに過去最高を更新する見通しだ。主力とするユニフォーム向けでは業界で電動ファン(EF)付きウエアへの需要が高まっており、こちらがけん引した。もうからない事業をもうかるようにということで、作業服の芯地など商品の集約を進めたことで利益も取れるようになってきた。
来期は既存の事業をさらに伸ばす。製品事業を担うアパレル部では主力のビジネスが苦戦を強いられているため、しっかり立て直す。服飾資材事業は今後、機能性がカギになるとみている。同事業も強化する。
BtoCのビジネスも伸ばす。アマゾンや楽天市場などの電子商取引(EC)サイトでボタンといった手芸・ハンドメード用品のほか、雑貨や暑熱対策商品などを販売している。
ニット製品ブランドの「イトフミ」では、傘の柄カバーなどに加え、新生児の姿を撮影するニューボーンフォト用衣装も展開している。6月には阪急うめだ本店で期間限定店を開いた。出産を迎える人や、産後間もない母親とその家族に向けたアイテムをそろえて販売したが、好評だった。
〈三宅臣 社長 三宅 祥介 氏/AIの活用加速へ〉
上半期(2025年10月~26年3月)は、前年同期比8%の増収となった。ゴルフウエア向けの資材販売が伸長したほか、暑熱対策ウエアが好調なユニフォーム向けと、ビンテージブームの追い風を受けるジーンズ向けが寄与した。金利上昇や国内総生産(GDP)拡大を踏まえた現在の経済状況を考えると、今後は通期で10%の増収を目指したい。
当社の強みである「小回りの利く迅速な対応」をさらに伸ばし、増収につなげる。営業担当者が顧客対応に時間を当てられるよう、人工知能(AI)を活用して事務作業にかかる時間を減らしていく。
日々のちょっとした業務、例えばエクセルへの数値入力などから効率化していきたい。独自に組んだシステムに頼った場合、ファスナーの寸法が決まらないと全体が進行できないなど、融通が利かなくなる可能性もある。汎用(はんよう)性のあるアプリケーションを活用することで、業務面でも小回りが利く体制を敷く。
従業員には、「こんなことで困っている」という相談からAIの活用を始めてもらい、浸透させる。顧客も含め、お互いに業務に手のかからない体制の構築も進める計画だ。
〈伊豆義 社長 伊豆田 浩央 氏/チーム営業できる体制に〉
上半期(2025年2~7月)の売上高は前年同期並みか微減の見通しだ。ユニフォームメーカーで秋冬物の生産が抑え気味になっているが、環境は悪くはない。下半期に向けてしっかり営業活動を進めていく。
ワークウエア業界では春夏物へのシフトが進んでいる。顧客がどれだけ商品を作るかに左右されるが、新商品や新規別注案件などをいかに獲得できるかが重要になってくる。
営業の属人化も解消する。導入した営業支援システムの「セールスフォース」がようやく運用段階に入った。営業の動きや案件を見える化し、チームで営業できる体制にしていく。最適な営業活動につなげるため、情報も蓄積する。その情報をAI(人工知能)活用にも生かす考えだ。
当社で扱っている商品をBtoCでアピールした時にどのような反応が得られるか、テストマーケティングを兼ねたクラウドファンディング(CF)にも挑戦している。直近では原着糸を使った色落ちや色あせがしにくいTシャツ「時を止める黒。」をCFサイトの「マクアケ」に出品した。実績を見ながら、BtoBの提案につなげていく。
〈田窪 社長 河合 恵子 氏/糸卸から総合提案企業へ〉
当社は、糸を主力商品に国内9拠点を構え、顧客の要望に迅速に対応する体制を強みとする。ベトナムにもホーチミンとハノイ、タインホアに拠点を持ち、海外でも主要メーカーの商品を素早く手配することでグローバルな物作りを支援している。海外メーカーが調達する服飾資材の調達ルートの拡充も進めている。
今後は国内外の仕入れ先や顧客との幅広いネットワークを生かし、双方から製品情報を収集するとともに、顧客の商品も新たな商材として取り扱い、グッズ販売事業を本格化する。
このほど森林保護の国際認証であるFSC認証を取得し、植物油インキで印字した土産用紙袋をFC今治(愛媛県今治市)に供給した。これを足掛かりに周年記念グッズ、販促物など新しい商材の提案を進める計画だ。
ルート営業から提案営業へかじを切り、90年以上の歴史の中で築いてきた顧客や仕入れ先との信頼関係を生かし、新たな価値を生み出す。縫製資材の総合提案企業として、お客さまのモノ作り全体を支えるパートナー企業を目指すとともに、国内メーカーや縫製業界の活性化にも貢献していきたい。





