特集 アパレルパーツ(6)/主要副資材企業のイチ押し商品と重点戦略/清水惣/トップマン工業/グンゼ繊維資材事業部/三山/カジテック

2026年08月31日 (月曜日)

〈清水惣/ラミネート機で新規受注 両面接着芯地や3層構造〉

 清水惣(滋賀県東近江市)は昨年、中古のラミネート機を購入し、自社工場内に設置した。新規事業として受注、販売の拡大に臨む。

 ラミネート機はボンディング加工として活用し、例えば生地と生地の間に“クモの巣”と呼ぶ接着樹脂を挟んで3層構造の不織布芯地にしたり、芯地を表地に接着する際に使う。それまでは外注していたが、内製化して新規事業として展開を始めた。目下、順調に受注を伸ばしているという。

 不織布だけでなくフィルムなどもラミネートできるため、機能性のあるフィルムを使用した新商品開発も進め、アパレル以外の分野にも拡販していく。

 差別化、付加価値化した商材も取りそろえる。その一つが水溶性の樹脂を使った不織布芯地と織芯地だ。日本で水溶性樹脂を使った芯地は希少なこともあり、「安定した受注がある」という。

 もう一つは無蛍光樹脂芯地。これも「原料を抑えている」ため希少性が高く、蛍光樹脂を回避したい大手SPAから10年以上のリピート発注があるという。

 同社は一昨年に不織布芯地の見本帳を6年ぶりに作成し、昨年には接着芯テープの見本帳も刷新した。営業提案に活用し、拡販を狙う。

〈トップマン工業/反射資材の拡販に力 日越共同備蓄販売が好評〉

 バイアステープ主力のトップマン工業(大阪府東大阪市)は、売れ筋商品の一つである高輝度反射資材の拡販に努めている。日本製に加えて韓国製、中国製をエージェント経由で輸入し、価格訴求力も付与する。

 差別化戦略の一環として、テープや二次加工品の形態で、日本とベトナム法人のトップマンベトナムの共同備蓄販売を行っている。同社によると日系副資材企業として同サービスを実現しているのは同社のみ。

 シルバー、カラーともにホットメルトタイプで、カラーは一般家庭洗濯に、シルバーは一般家庭洗濯と工業用洗濯に対応する。

 近年は特にユニフォーム分野で数多く採用されており、カタログ備蓄品、企業別注品まで幅広い需要を取り込んでいる。中でもカラー反射資材は企業別注で採用されるケースが多いという。

 現状はまだ1品番ながら、日本とベトナムで共同備蓄販売の体制を構築しており、必要分から調達が可能な点が顧客から好評を得ている。

 今後は日越共同販売の品番数を拡大するとともに、産業資材などアパレル以外への販売拡大、既存のバイアス加工や超音波ミシン加工に加えてプリントやマーク加工など二次加工品の充実を図っていく。

〈グンゼ繊維資材事業部/新しい制電ミシン糸 開発力が拡販につながる〉

 グンゼの繊維資材事業部はこのほど、白度が高く持続性にも優れる制電ミシン糸を開発した。

 通常の制電糸には金属原料を使うが、同商品には特許も出願中の白色導電ポリマーを使っているため、白展開から多色展開が可能になる。持続性などの性能も従来品より高く、金属を使わないため価格も手頃に仕上がる。グンゼ・プラスチックカンパニーが持つフィルム技術を事業部間連携として応用し開発した。芯鞘構造がポイントという。

 顧客の反応は上々で、大口の採用案件が進んでいるという。

 同事業部を代表する品番、ポリエステルウーリーミシン糸「ポリーナ」の肌当たりをソフトに改善した「ソフトポリーナ」も新商品ながら既に大口採用が決まるなど好評だ。顧客の要望を受け、3D画像解析技術を活用して改良にこぎ着けた。

 同事業部は、2030年に衣料向けと産業資材向けの比率を5対5まで引き上げる計画を立てている。自動車関連など非衣料向けが「計画通り順調に拡大している」という。

 同分野向けの開発としては、世界的な気温上昇を捉え、遮熱や冷感機能を備えたミシン糸の開発を強化していく。

〈三山/静電気軽減ミシン糸が好調 受注システムも利用者増〉

 三山(大阪市天王寺区)では、クラレトレーディングの導電性カーボン繊維「クラカーボ」を配合した静電気軽減ミシン糸「エレカット」の販売が好調だ。さまざまな分野で高まる安全・安心需要を取り込んでいる。

 静電気を抑えることで、衣服の着脱時の不快なパチパチ感を軽減するうえ、生地表面にホコリが付きにくくなることで製品の見栄えを奇麗に保つ効果もある。メディカル系のアパレルやファッションアパレル、ユニフォームなどで採用が進んでいる。

 後加工ではないため機能性は半永久的に持続し、コストパフォーマンスにも優れるとの評価だ。

 20色を備蓄展開しており、インナー向けに開発した「エレカットウーリー」も12色で備蓄販売している。

 他方、同社が開発したウェブ受注システム「チャチャッター」も順調に利用者数を伸ばす。

 チャチャッターは、ネットを活用してリアルタイムで会話するチャット機能をベースにしたウェブ受注システム。個々の発注依頼や出荷状況などの進捗が確認でき、業務がスムーズに流れ、ミスの低減にもつながる。在庫や試験データの問い合わせなどにも活用できる。

〈カジテック/業界初の見えないプラホック スタリッシュな仕上がり〉

 カジテック(大阪市中央区)は主力のプラスチックホックで、表面にホックの頭部分が出ない「サンコンシールド」の拡販に期待する。

 バネ・ゲンコを薄くし、生地の中に入れ込むことでホックが外から見えない仕様。「ホックを見せたくない」「ホックを見せずスタイリッシュに」といったニーズに対応したもので、同社によれば、金属ホックで同様の商品はあったが、プラスチックホックでは業界初。

 染色も可能なため、取り付ける素材の色に合わせて使うこともできる。

 そのほか、生地に優しく軽くて丈夫で、脱着の強度を選べる「サンテナック」、高級感があり、生地に食い込む構造の「サングリップ」、糸付けボタン調のデザインの「サンボタンスナップ」など多彩なプラスチックホックを取りそろえる。

 昨年から韓国企業と日本での独占販売契約を結んで展開する、シューズやサポーターなどに使用されるダイヤル式留め具「スピンオン」も、展示会提案などが奏功して徐々に採用を増やしている。シューズ用途は先行企業が強いこともあり、衣料品やサポーター、バッグなどシューズ以外での採用が多いという。今後も用途提案を加速させ、採用拡大を狙う。