旭化成アドバンス/「ベンベルグ」裏地は別格/海外市場でも拡販目指す
2026年08月31日 (月曜日)
旭化成アドバンスの裏地販売が好調だ。スタイリングのカジュアル化が一段と進んだことで裏地全体の市況は低調だが、同社の主力商品であるキュプラ繊維「ベンベルグ」裏地は別格の評価を市場から得ていることで底堅い需要がある。こうした強みを生かし、一段の高付加価値化を進め、国内だけでなく海外市場での販売拡大も目指す。
2026年度上半期(4~9月)の裏地の販売は数量、売上高ともに好調に推移しているもよう。22年に発生した旭化成のベンベルグ工場(宮崎県延岡市)の火災事故以降、原糸供給が制約されていたことで市場では一時的に〝キュプラ離れ〟の傾向があったが、原糸の生産と供給が正常化するにつれてベンベルグ裏地の需要が回復した。
繊維本部の角田隆行ライニング事業部長は「ベンベルグの高級感や、天然由来原料によるサステイナブル素材といった特徴が評価されている」と言う。紳士服は既製服向けこそ需要減退が続いているが、オーダースーツ向けが増加している。婦人服もセレクト系を中心に裏地需要が回復傾向にある。加えて海外への販売が北米市場を中心に大きく伸びた。
生産体制の整備も進んだ。特に納期対応の面でボトルネックとなっていた染色加工は計画生産や品番集約、委託加工場との取り組み強化を進めたことで納期短縮を進めている。
今後も一段の高付加価値化と海外販売の拡大に取り組む。高付加価値化では山梨など産地企業との連携でジャカード品やシルク交織品、ストレッチ品などの開発と提案を進め、オーダースーツ向けなどで販売を拡大したい考え。海外販売は旭化成が裏地向けにベンベルグの糸を販売しているため、糸の売り先である現地の大手裏地メーカーと競合しない多品種・小ロット品を中心に販売拡大を目指す。
サンプルアーカイブなどを常備する「ベンベルグミュージアム」もリニューアルした。同社は10月に帝人フロンティアと統合し、TAフロンティアとして新たなスタートを切る。新会社でもベンベルグを独自の有力素材として積極的に発信する。





