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蘇州蕭然新材料/バイオ長繊維「フロナ」発進/日中5社連携で産業化へ

2026年09月02日 (水曜日)

 【上海支局】中国・上海で開かれた「インターテキスタイル上海2026秋冬」の会場内で8月26日、蘇州蕭然新材料がバイオベースの高性能長繊維「Furona」(フロナ)を発表した。高性能ポリエチレンフラノエート(PEF)を使った新素材で、バイオ由来原料と機能性の両立を訴求。原料から糸、生地、最終用途まで、日中5社が連携して産業化を目指す。

 発表会では、フロナに使う高性能PEFがPETとは異なる「含酸素フラン環」の分子構造を持ち、素材自体が抗菌・防ダニ性、吸湿速乾性、紫外線遮蔽(しゃへい)性、防シワ性などの機能性を持つと説明した。抗菌・防ダニ性については150回の洗濯後も機能を維持するとし、紫外線遮蔽性についても原糸自体が機能を持つ点を訴求した。

 またPEFの分子構造による剛性が、防シワ性につながると説明。染色性については、同じ濃色に染める場合でも、染料やエネルギー使用量の削減につながる可能性を示した。

 当日は原料の高性能PEFを手掛ける中科国生、フロナを生産する蘇州蕭然新材料、生地開発を担う精度紡織と蘇州玉立、商社のモリリンの5社が戦略協力を締結した。各社の強みを組み合わせ、フロナの産業化を目指す。

 蘇州蕭然新材料は、再生・差別化繊維を手掛けてきた原糸メーカーで、今回のフロナをバイオベース素材分野の新たな事業領域として展開する。今後は4社との連携を通じ、原料から最終用途までの体制構築を進め、量産化と用途開拓を目指す。

〈「グリーン発展の原動力に」〉

 同日は5社の代表によるパネルディスカッションが行われた。蘇州蕭然新材料の陶然董事長は、「高性能バイオ繊維によって、業界のグリーン発展の原動力にしたい」と述べ、3年以内に1万㌧級の生産規模を目指す方針を示した。

 中科国生の王磊董事長と、精度紡織の車朝侠総経理は、PETとは異なる熱セットや染色時の温度管理など、量産に向けた加工条件を確立する重要性を指摘した。

 アウトドア向け織物を得意とする蘇州玉立の鐘瑛君董事長は、サステイナビリティーと多機能性を両立した素材への需要を指摘するとともに、量産段階では安定供給が重要になるとの考えを示した。

 供給網の一翼を担うモリリンの山口智秀ライフイノベーションG副統括部長は、アパレル開発で重視すべき点として「最も大事なのはコスト。次いで品質、原料のトレーサビリティーの透明性、安定供給。そしてやる気と努力」と指摘。「これらがそろって初めてマーケットは動き出す」と述べた。