ごえんぼう
2026年09月07日 (月曜日)
729年の今日、聖武天皇は藤原不比等の娘、光明子を皇后に立てた。律令制下で初の臣下出身の皇后とされる。女性天皇が相次いだ時代、その意味は小さくなかった▼聖武天皇の死後、光明皇后は遺愛の袈裟(けさ)などを東大寺に献納した。正倉院には、色とりどりの絹を刺し縫いした「九条刺納樹皮色袈裟(くじょうしのうじゅひしょくのけさ)」をはじめ、奈良時代の高度な染織技術を伝える宝物が今も残る▼娘の阿倍内親王は孝謙天皇として即位し、後に重祚(ちょうそ)して称徳天皇となった。寵愛を受けた僧・道鏡は権勢を強め、宇佐八幡宮の神託を巡り皇位継承問題が起きた▼約1300年後の今、皇族数の減少を背景に皇室典範の改正法が成立した。皇室の歴史は不変の制度が続いた一本道ではない。何を守り、何を変えるのか。世論だけで答えを出せる問題でもない。決断を委ねられた政治家が、いつか「あの時の判断は正しかった」と振り返れるのか。歴史の答えを見守りたい。





