インテキ上海26秋冬レビュー(後)
2026年09月07日 (月曜日)
スポーツやロボット向け開拓
今回展では、日系各社が新たな市場の開拓に向けた提案を進めた。従来、ファッション向けが中心だった生地商社でもスポーツ・アウトドア向けの機能素材を訴求する動きが見られたほか、合繊メーカーは人型ロボット向け素材をアピールした。
瀧定はスポーツ・アウトドア向け新ライン「RFA」(アルファ)に展示を絞り、ソアロンはストレッチサテンなどでアスレジャーやメンズ市場を狙った。ニッケもスポーツ向けを意識した防水・透湿・撥水(はっすい)性を備えたウール素材を提案した。
南通帝人は、高密度織物「MICROFT」(マイクロフト)などの独自素材のブランディングを再強化した。
初出展のGSIクレオスは、スポーツ・アウトドア向けにリサイクル原料を使った「リサイクル・コーデュラ」の日本製織物を重点提案。代理店経由を中心に地場大手アウトドアブランドで採用実績を積んでいる。
スポーツ以外では、東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)が人型ロボット向けウエアを提案したのが目を引いた。ロボット自体の発熱に耐え、雨・風から内部の精密機器を守る防水・保護素材を使い、機器を保護するアイテムとして提案した。
糸の分野では、東レ・長繊維事業部が同展と同時開催の「ヤーンエキスポ」に春展に続いて出展。汗染み抑制ファイバー「ギガダル」は風合いや表情のバリエーションを広げ、春展以降、バルク受注にもつながっている。
機能に加え、独自加工による風合いによって差別化する提案も目立った。豊島は「尾州ARAI」や「特殊シワウール」を提案し、素材そのものの風合いやシワを生かした表情で差別化を図った。クラボウは独自加工技術を生かし、ポリエステルやナイロンに綿のような柔らかな風合いを付与した織物もそろえた。旭化成は細番手のキュプラ長繊維不織布とテープ状にカットした糸「ベンブリーズ」で軽量・繊細な表情を訴求した。
中国地場メーカーの素材開発力が高まり、市況も厳しさを増す中、日系企業は新しい素材ブランドや新用途の提案に力を入れている。スポーツ・アウトドア向けの機能素材、高付加価値糸、独自加工に加え、人型ロボット向けウエアのような新用途も登場した。自社の強みを打ち出し、中国市場で新たな需要を取り込もうとしている。
(上海支局、おわり)





