ごえんぼう

2026年09月08日 (火曜日)

 ギルガメッシュは、古代メソポタミアの都市国家ウルクの王だ。英雄譚である「ギルガメッシュ叙事詩」の標準版は、紀元前2千年紀後半に成立したとされる▼ギルガメッシュ叙事詩のあらすじを簡単に説明すると、ギルガメッシュとその友人であるエンキドゥの2人を軸に友情と死、不死の追求が描かれている。友の死と洪水を通じて永遠に続く生がないことを示し、物語は終わる▼世界に伝わったこの叙事詩も、時代が下がると読まれなくなる。楔形文字が刻まれた粘土板が残っていたが、解読できなかった。1872年、英国のジョージ・スミスが粘土板の文字を解き明かし、再び内容が広く知られるようになる▼長い空白を埋めたのは粘土板という媒体だった。これがなければ後世には伝わらなかった。デジタルデータはどれほど先まで残るものなのか。千年後、2026年の繊維産業を書いた紙の資料はどれほどあるだろう。