帝人フロンティア 最終製品見据え糸開発強化

2026年09月09日 (水曜日)

 帝人フロンティアでポリエステル長繊維など原糸販売を担う衣料繊維部門衣料素材本部原料部は、最終製品を見据えた糸の開発と提案に力を入れる。ポリエステル長繊維に加えてアクリル紡績糸・生地の開発と提案にも改めて力を入れる。

 原料部の2026年4~6月期の商況は比較的堅調だった。中東情勢悪化による事業環境の悪化を乗り切った形だ。家原重隆部長によると、一般衣料用途は市況の低迷が続いているものの、カーテンなどインテリア製品向けが好調。資材用途も貼布剤基布向けなどが堅調に推移し、まずまずの荷動きとなった。

 中東情勢悪化の影響で原燃料価格が高騰したため4~5月にかけて値上げを実施したが、比較的順調に浸透したもよう。「値上げ前の駆け込み需要に加えて、値上げ後も供給不安を感じた需要家が原料確保を重視する傾向が強かった」(家原部長)ことが背景にある。

 ただ、4~6月が堅調だった反動で、7~9月の荷動きがやや鈍化した。また、生産は差別化糸をタイ子会社のテイジン・ポリエステル〈タイランド〉、準差別化糸を協力関係にあるインドネシアのティフィコ、定番糸は海外の委託生産工場が担っているため、円安によるコストアップが一段と大きくなっている。

 このため今後は定番糸の生産が中心だった海外協力工場でも準差別化糸まで生産する体制を構築するなどサプライチェーンの強化を進める。また、編み立て・糸加工子会社である帝人フロンティアニッティング(石川県小松市)を活用した加工糸の開発と提案に力を入れる。

 加えて最終製品を明確にした糸の開発と提案も強化する。既にカーテン向けはSPAとの取り組みで成果を上げていることから、同様の取り組みを他の用途やアイテムにも広げる。

 同部は旧東邦テキスタイルのアクリル繊維事業を継承している。これを生かし、海外で委託生産するアクリル紡績糸・生地の提案にも改めて力を入れる。近年、国内のアクリル紡績糸・生地サプライヤーが減少していることから、同社のアクリル素材への引き合いも増加している。今後はポリエステル長繊維にアクリル紡績糸を組み合わせた開発なども底上げする。