繊維ニュース

豊島 新価値創造へDX強化

2026年09月16日 (水曜日)

 豊島は新たな価値創造に力を入れる。デジタル技術で社会を変革するDXを活用した商品やソリューションの開発、スタートアップとの協業による新領域の事業化を進める。海外販売を増やすほか、付加価値商材にも磨きをかけ、今期(2027年6月期)は売上高2500億円、経常利益150億円を掲げる。

 DX活用では人工知能(AI)を使ったサービスを展開する。アパレル製品の自動採寸や3次元モデルへの着装、柄の自動作成といった「バーチャルスタンダード」シリーズをそろえており、今後も提案や普及に注力する。

 現状では営業活動などの一環として活用するケースが中心で、本格的な広がりは道半ばだ。豊島俊明会長は「将来的にはきちんと対価が得られるように、売り上げを作っていくことが理想だ」と話す。

 スタートアップ(新興企業)との協業では、パートナー企業として参画する愛知県のオープンイノベーション拠点「ステーションAi」を活用。豊島晋一社長は「いろいろな種まきができている」と述べ、多彩な企業との出会いを模索している。

 課題として掲げてきた素材部門の海外販売は前期で一定の成果が見られた。一方、豊島会長は「売り上げは増えてはいるが、目標として掲げられる数字がやっと見えてきた」と話す。今後は三国間貿易を除く輸出を伸ばす考えだ。

 前期の製品部門は酷暑対策やウエルネス関連の付加価値商品の販売がけん引した。市場の変化に対応するべく、新たな付加価値商品を生み出す。豊島会長は「顧客や消費者が求めるものをしっかり捉え、商品として供給していく」と強調した。

増収、営業・経常益過去最高 26年6月期

 豊島の26年6月期単体決算は売上高2558億円(前期比18・3%増)、営業利益140億円(47・5%増)、経常利益169億円(29・4%増)、純利益121億円(32・5%増)だった。3期ぶりの増収で、営業・経常利益は4期連続で過去最高額を更新した。

 繊維原料・原糸・織物を合わせた素材部門合計の売上高は720億円(同2%増)だった。国内市場縮小の影響もあったが、三国間を含む輸出が伸びた。繊維原料は綿花販売数量が増えたものの、相場の弱含みと円安の影響で前年並み。原糸は国内産地向けの販売が減少した。織物など生地はユニフォーム向けを中心に加工反販売が増えたが、切り売り販売の減少によりほぼ横ばいで着地した。

 製品部門は1806億円(同27・2%増)と大きく伸ばした。ワーキング、暑熱対策商品、雑貨、ヘルスケアなどの分野で機能素材や差別化素材を活用した付加価値商材の提案強化が進んだ。物流の効率化による輸入コスト削減や、ASEANでの生産比率向上による原価抑制が増益に寄与した。

 売上総利益額は前期比25・8%増で、売上総利益率は0・9¥文字(U+333D)上昇した。販売費および一般管理費が16・9%増えたものの、増収と売上総利益額の増加が増益に直結した。