LIVING-BIZ vol.134(3)/加藤綿行/ポケモン/ホップライオンジャパン

2026年09月16日 (水曜日)

〈加藤綿行/綿100%の消臭わた開発/寝具など用途開拓へ〉

 不織布・ホームファニシング・不動産事業などを手掛ける加藤綿行(愛知県豊橋市)は、半永久的な消臭機能を持つ綿わた「Deo Cotton」(デオコットン)を開発した。化学繊維が中心だった消臭分野に天然繊維で挑んだ。

 協力工場が紡績糸として展開する消臭機能繊維の技術を応用し、加藤綿行が寝具・インテリア向けの中わた、資材として製品化。アウターウエア向けを含め、幅広い用途へ訴求していく。

 最大の特徴は、綿の繊維内部に消臭基を化学結合させたことだ。アンモニアとはイオン結合、酢酸やイソ吉草酸とは水素結合し、臭気分子を化学的に中和する。薬剤を繊維表面に付着させる一般的な防臭・抗菌加工と異なり、洗濯や摩擦で機能が低下しにくい。

 洗濯や天日干しによる消臭効果の復元、シルケット加工や漂白などの後工程を経ても消臭機能が低下しない、染色や加工の自由度が高い、綿本来の風合いを損なわない――といった特性も持つ。

 ボーケン品質評価機構による試験では、洗濯10回後もアンモニア消臭率99%以上を維持。酢酸、イソ吉草酸でも高い消臭性を示した。晒(さら)しわたやインド原綿に消臭綿を混ぜた場合でも同様の結果が得られ、寝具用途での実用性を確認した。皮膚障害性、経口毒性、変異原性の安全性試験でも問題はなく、ホルムアルデヒド残留は乳児用基準に適合したという。

 同社は昨年、特殊バインダーで抗菌剤を固着させる綿の抗菌わたを発表。ケットや敷パッドなどで商品化されている。デオコットンは、繊維自体を構造的に変化させる化学結合型で、耐久性と機能の質を高めた。化学繊維が担ってきた機能領域に、綿が新たな可能性を示す素材として注目される。

〈“睡眠”が格上げ/「健康経営度調査票」改訂〉

 健康経営度調査票が今年度から改定され、従業員の睡眠の質を高める取り組みが重視される。睡眠課題の解決を目指す企業間コミュニティー「ザコネ」、日本睡眠協会、睡眠ヘルスケア協議会が8月下旬にウェブセミナーを開き、改定のポイントを解説した。

 経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課の森田智也係長が「令和8年度健康経営施策および健康経営度調査票改定の方向性」と題して講演。健康経営を、従業員の健康保持・増進を通じて業績や企業価値の向上を目指す経営戦略と位置付け、少子高齢化に伴う労働力不足や社会保障費の増大を背景に、企業による健康投資の拡大が必要だと説明した。

 2025年度の健康経営優良法人認定数は、大規模法人3765社、中小規模法人2万3085社で、ともに前年度を上回った。認定された大規模法人のうち3539社は既に睡眠障害や業務中の眠気による生産性低下の防止に取り組む。具体的には、仮眠室の設置(60・8%)、睡眠関連指導の導入(47・1%)、睡眠改善アプリの導入(39・6%)が目立った。

 こうした動きもあり、大規模法人部門では従来、「従業員の生産性低下防止への施策」の一つだった睡眠対策を、「睡眠の質向上に向けた取り組み」として独立した設問に格上げした。選択肢には、執務室内の照明の工夫、睡眠時無呼吸症候群の検査、睡眠改善を目的としたウエアラブル端末の配布・自宅での補助などを加えた。

 改定ではこのほか、個人の健康・医療情報を指すPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の利用促進や、テーマ別ベストプラクティス(優れた取り組み事例)の公表、健康投資額の把握、ライフデザイン経営の推進を盛り込んだ。睡眠の質向上もベストプラクティスの対象となる。認定取得率が1%未満にとどまる中小企業への普及も強化。教材提供や自治体、専門家との連携、補助金の加点措置や融資制度の整備なども進める方針だ。

〈ポケモン/ポケモンで楽しく眠活/睡眠改善へ連携も拡大〉

 ポケモン(東京都港区)は1日、睡眠ゲームアプリ「ポケモンスリープ」を軸にした「ポケモン30周年 ねむる発表会」を都内で開き、睡眠に関する新企画や調査結果を一挙公開した。秋の睡眠健康週間(8月27日~9月10日)と9月3日の「ぐっすりの日」に合わせ、睡眠を楽しく学ぶ取り組みを強化する。

 宇都宮崇人代表取締役COOは、「ポケモンGO」や「ポケモンスマイル」を含め、生活習慣に寄り添うコンテンツを通じたヘルスケア領域での歩みを紹介した。

 全国約4・3万人のポケモンスリープ利用者のデータとアンケートを分析した「全国睡眠県グランプリ2026」も初公開。総合1位は宮崎県だった。上位県では早寝早起きと平日・休日の睡眠差が小さいことが共通していた。一方、埼玉、千葉、東京などの都市圏は、長い通勤時間が睡眠を圧迫し、夜型化や週末の寝だめにつながり、順位が低かった。

 他社との連携も紹介した。昭和西川は着る毛布や抱き枕など26秋冬の新作協業商品、モートはポケモンの「コイル」と自社のポケットコイルを掛け合わせた寝具シリーズを発売する。マッシュスタイルラボは「ジェラートピケ」からポケモンデザインの部屋着類を展開する。そのほか、フィットネスのウエアラブル端末やヘアケア商品なども登場する。

 ノット・ア・ホテルと組んだ「泊まれるモンスターボール」企画、イオンモールでの「#カビゴンと眠活」、厚生労働省との睡眠啓発など、全国規模の企画も展開。睡眠を可視化し、楽しみながら改善する“ポケモン流ヘルスケア”を、幅広い世代に広げる考えだ。

〈ホップライオンジャパン/2子会社を吸収合併〉

 羽毛原料商社のホップライオンジャパン(東京都千代田区)は10月1日付で、100%子会社で羽毛ふとん製造卸の伸盛(茨城県下妻市)とウエストフェザー(兵庫県加東市)を吸収合併する。

 2社の既存の契約や債権・債務は、存続会社となるホップライオンジャパンが承継し、取引条件も現行のまま継続する。製販一体の新体制の下、競争力の強化とサービスの向上を図る方針だ。