特集 介護ウエア(2)/製品開発の最前線から/トンボ/明石スクールユニフォームカンパニー/カンコービズウェア/セロリー
2026年09月18日 (金曜日)
介護現場の声をどう捉え、商品開発に生かしているのか。動きやすさや快適性はもちろん、着る人の気持ちや働き方にも目を向ける開発担当者に、介護ウエアに求められる機能と今後の商品開発について聞いた。
〈トンボ 市場戦略本部 ヘルスケア事業部 事業部長 高橋 圭治 氏/台湾市場にも本格参入〉
メディカル、ケア向けユニフォームを扱うヘルスケア本部の2026年6月期売上高は、前期比1・3%増の29億6729万円となりました。前期に新規案件を獲得した反動で微増にとどまりましたが、3期前に比べると26・6%増と高い伸びとなりました。
入院セット向けの患者着がけん引しました。「キラク」ブランドの「やわら着」シリーズでは、甚平タイプが伸びています。タオルやおむつ、歯ブラシなども一つにしたセットで、必要な物をそろえて入院できる利便性などが支持につながりました。看護師の負担軽減にもつながります。
今期はリカバリーウエアの販売を本格化します。前期は糸の供給不足で十分な在庫を確保できませんでしたが、今期は在庫を積み増します。シニア層をターゲットに、機能や効果を説明できる販売環境を整え、拡販につなげます。
「キラク」では台湾市場にも本格参入します。台湾の医療関連インフラ企業、美徳耐集団と契約を締結しました。織物製の白衣の採用が多い台湾の病院に対し、優位性を訴求します。
〈明石スクールユニフォームカンパニー 営業本部 プランニング部部長(チーフデザイナ―) 伊藤 良太 氏/メディカル、介護ともに伸長〉
企業向けユニフォーム事業の上半期(2026年1~6月)は増収を確保しました。大型案件も取れ始めるなど、メディカル、介護の両分野で伸びています。病院や介護施設の経営は厳しさを増していますが、「ユニフォームだけでも良いものに変えたい」「人材採用に役立てたい」という声は多く、需要はあるとみています。
主力ブランドの「ルコックスポルティフ」はスポーツブランドを出自としています。これは他社のユニフォームにはなかなかない背景です。ブランド力とともにユニフォームとしての説得力もあり、介護向けでは詳しい説明をしなくても決まることがあります。介護の現場では動きやすさが重視されており、同ブランドが響きやすいのかもしれません。
昨年打ち出した新ブランドの「ロハピ」は、全国展開する施設にも採用されるなど、堅調に採用実績を伸ばしています。介護やメディカル業界で心身の健康や幸福感などを意味するウェルビーイングの重要さが叫ばれる中、これを掲げるロハピが支持されています。
下半期に向けても、上半期の流れを継続しながら売り上げにつなげていきます。
〈カンコービズウェア 営業部開発リーダー 重 知可子 氏/高級ゾーンに支持〉
当社では介護向けユニフォームブランドの「プロフィーリング」を展開しています。さまざまなコスト上昇の影響を受け、厳しい経営環境下に置かれる介護施設が多い中、介護向けユニフォームは苦戦が続いています。
一方、同ブランドから打ち出している「アーニー アーノルドパーマー」や、高級ゾーンの「アイナ」など、ワンランク上のブランドは販売が伸びています。ブランディングに加え、洗練された雰囲気が評価されています。介護施設向けユニフォームでは売れ筋が二極化してきているように感じます。
介護向けでは今後、アーニー アーノルドパーマー、アイナの販売を拡大していきたいです。介護向けウエアがメディカル分野で採用されるケースも出てきました。メディカル向けの商品も拡充を図っていきたいですね。
当社が展開するユニフォームにおいては、Z世代が着てみたいと思える新しいスタイルの企画を打ち出したいと考えています。「こんなユニフォームなかったよね」「こんなユニフォームで働いてみたい」と思ってもらえるデザインを取り入れた商品を開発していきます。
〈セロリー 営業部 ケアウェア課 課長 高橋 和基 氏/レンタル事業開始〉
介護向けユニフォームブランド「アイフォリー」でレンタルユニフォーム事業を始めました。初期費用の低さと、在庫管理システムとの連携で管理業務の負担を軽減できる利点を訴求します。
オフィスウエアで導入しているシステムを転用したもので、着用者数に応じて請求する仕組みのため、施設が余分な在庫を保有する必要もありません。個人ごとに梱包(こんぽう)して拠点へ直接発送することで、管理担当者の仕分け作業を減らします。
ウェブ上で全拠点のユニフォームの発注、返品、交換、在庫管理ができる「B―RASS(ラス)」と連携し、管理負担も軽減します。全拠点のリユース在庫を活用できるため、購入経費を削減できる利点もあります。
ユーザーとの距離を縮める取り組みも加速させます。九州に専任の営業員を置いたことで軌道に乗ってきました。介護展「ケアテックス」などの展示会にも積極的に参加する計画です。
アイフォリーでは、介護職向けパンツ「動(うご)パン」が浸透しました。パンツを足掛かりに今後、トップス企画に力を入れます。





