特集 介護ウエア(5)/探訪 介護ウエアの現場から/心地よく過ごせる環境へ/社会福祉法人 旭川荘 旭川荘療育・医療センター旭川児童院

2026年09月18日 (金曜日)

 重症心身障害児・者の医療や療育、生活を支える旭川児童院(岡山市)が、支援スタッフのユニフォームを刷新した。機能性や耐久性に加え、豊富な色展開を生かしてスタッフの一体感も高める。日々の生活を支える職員の働きやすさを追求し、利用者が心地よく過ごせる環境づくりにつなげる。

〈心地よいと感じられる生活を〉

 旭川児童院は、社会福祉法人旭川荘が運営する旭川荘療育・医療センター内の施設で、重症心身障害児・者を対象に、医療と療育、生活支援を一体的に提供している。1967年に開設し、現在は「医療型障害児入所施設」と「療養介護事業所」の指定を受けている。

 18歳以下の重症心身障害児に加え、18歳以上の重症心身障害者や療養介護の支給対象者を受け入れる。医師による健康管理や合併症の治療、看護師らによる食事、移動、体位変換、入浴、排せつなどの日常生活支援、リハビリテーション課による機能訓練などを行い、一人ひとりの状態に合わせた療育を提供している。学齢児らには、隣接する岡山県立岡山支援学校で教育を受けられるよう支援する。

 約350人が生活しており、健康と安全を支えるだけでなく、活動や行事を通じて、一人一人が「楽しい」「心地よい」と感じられる生活を目指している。

〈高機能ユニフォーム導入〉

 旭川児童院の支援スタッフはこれまで、「日常生活で着用する衣類のほうが入所者にとっても良い印象を与えるのでは」という思いから、スポーツ用品店で選んだスポーツブランドのウエアを着ていた。

 数年に一度の間隔で刷新してきたが、過去に買ったスポーツウエアはすぐ廃盤になることから統一感のあるユニフォームを継続して着用することが難しかった。100人近くいるスタッフ全員に同じスポーツウエアを配布することも困難で、納品時期にもばらつきがあった。

 小豆忠博支援部長は、導入が容易で統一感のあるユニフォームへの刷新を検討していたところ、インターンとして受け入れた学生が着用していたユニフォームの収納力の高さやかがんだ時に背中が見えない仕様に感心する出来事があったという。

 インターンの着用していたユニフォームを参考に、菅公学生服グループの企業ユニフォーム製造卸、カンコービズウェア(旧シーユーピー、岡山市)が展開する「プロフィーリング」のウエアに決定した。

 ポロシャツは、介護スタッフに必須の機能を備える「真・スタンダードポロシャツ」を採用した。遮熱性の高い特殊な糸と、吸湿・放湿性に優れた繊維であるキュプラを使った生地「クールヴェウ」を使い、衣服内の湿度の上昇を抑制することで、動きの多い介護職従事者にとって快適な着心地を保持する。

 12色から選べる色展開の多彩さが特徴で、一人の支援スタッフがさまざまな色のポロシャツを選んで着ている。小豆支援部長は今回、12色から自由に色を選べるポロシャツを選んだのは、「チームで色をそろえるなどの取り組みで、一体感を演出していきたい」という気持ちもあったという。

 支援スタッフの岡本夏季さんは、「『菊』病棟で働いているので、黄色のポロシャツを選びました」と話す。赤木裕基さんは、「明るい色合いが多く、気持ちも明るくなる」と好評だ。

 施設内には、ランドリールームがある。花粉に敏感な入所者もいることから毎日洗濯するという。真・スタンダードポロシャツは、吸汗速乾機能に加え、工業洗濯に対応する高い耐久性を持つ。山縣真由美さんは、「乾燥機をかけても縮まない」と話し、岡本さんも「夜に洗濯して室内に干しておけば、朝には乾いていることも助かる」と好印象を持つ。

 後ろ身頃の裾はラウンド形状で着丈を長く設計しているため、かがんでも背中が見えにくい。大型のポケットを備え「休憩時間に財布や水筒を入れる」(赤木さん)ことも可能だ。右脇には鍵や携帯電話のストラップを通せる落下防止ループも配置されている。

 パンツは、プロフィーリングの「安心バリアパンツ」を採用した。洗っても効果が持続する、SEK認証の抗ウイルス加工を施した安心機能を備える。腰帯はゴム仕様で、腰ひもで寸法を調節できる。立体設計で動きやすい。編み地でありながら「きちんと見え」するツイル調の素材を使った。赤木さんは「ポケットが深くて便利」だと感想を語る。

 ジャージは、「介護の動きをもっと楽に、快適にする」ために開発された「ダイナミック3D」シリーズを採用した。「アクティブアーム仕様」で、腕の上げ下げがしやすい。ラグラン袖の採用で突っ張り感を軽減。サイドのリブでおなか回りの窮屈さがない。「夏の室内温度が合わないときに着用する」(岡本さん)ことに役立っているという。

〈支援者でありたい〉

 旭川荘では、旭川荘内の児童福祉施設の子どもや家族、地域の子どもたちが参加し、交流を楽しむ催しを開いている。岡山市消防音楽隊の演奏や旭川荘厚生専門学院児童福祉学科の学生による出し物、旭川学園の子どもたちによるダンスのステージイベントが開かれる。2026年は第40回を迎えた。

 小豆支援部長はこれらの取り組みを通じて、「ここで生活する人たちが華やいだ気持ちになれるような施設運営を心掛けたい」と展望を語る。旭川児童院では、70年にわたって暮らす人もいるという。「そうした入所者の『支援者でありたい』」と抱負を語る。