ユニフォーム業界の 風を読む(1)/クラボウ 繊維事業部ユニフォーム部長 絹本良和氏
2026年09月24日 (木曜日)
原点は作業現場の安全
熱中症対策や人手不足など作業現場が抱える課題がますます大きくなる現在。ユニフォームが果たすべき役割も高度化している。素材メーカー・商社の担当者による現状と今後の展望を連載で紹介する。
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――2026年度上半期(4~9月)の商況は。
ユニフォーム部は作業服などユニフォーム素材に加えて、暑熱リスク・体調管理システム「スマートフィット」を扱っています。このうちユニフォーム関連は売り上げ、販売数量ともに好調です。備蓄アパレルの新商品で綿100%ストレッチ素材「バンジーコットン」などが順調に採用されています。企業別注ユニフォームは、アパレルや販売代理店との連携を強化したことで売り上げ、販売数量ともに前年度を上回る水準で推移しています。
一方、スマートフィットは、昨年6月から熱中症対策が義務化されたことで市場拡大を見込んでいましたが、当初期待したほど伸びませんでした。企業が空調設備の整備や冷却用品の支給などに予算を優先的に配分したためと考えられます。ただ、主要分野と位置付ける建設、鉄道、電力などの業種では大手を中心に導入が進んでいます。
――下半期に向けた課題や戦略は。
今年、当社の徳島工場(徳島県阿南市)が操業30周年を迎えました。そこで改めて徳島工場を〝ユニフォーム素材最適化工場〟と位置付け、連携を強化します。新商品開発に加えて、生産性の向上などに取り組みます。11月には2年ぶりとなる展示会も東京で開催し、付加価値の高い新商品を提案します。
別注分野はアパレルや販売代理店との連携を強化し、このほど共同開発を発表した今治造船の事例のように最終ユーザーとの取り組みも拡大します。
スマートフィットは熱中症対策商品という位置付けから、作業者の安全を総合的に支援する「安全管理サービス」へと進化させます。そのために人工知能(AI)連携レポート機能の実装など機能とサービスの両面を強化し、他社との差別化と競争優位性の確立を図ります。
――環境配慮や暑熱対策、安全対策のニーズが一段と高まりました。
環境配慮素材としてバイオ由来原料によるポリエステル繊維を使った商品開発を進めています。暑熱対策や安全対策では、電動ファン(EF)付きウエア用に難燃生地「ブレバノ」を使った商品や耐切創素材による商品の開発を進めています。
――中東情勢悪化の影響は。
原燃料の高騰で、一部サーチャージ制を導入しましたが、コスト上昇が長期化していることから、今後は取引先に丁寧に説明しながら、価格改定の協議を進めます。
――ユニフォーム業界の活性化に必要な取り組みは。
改めて原点に立ち返り、作業現場の安全性を主眼に置いた商品開発と提案が重要だと考えます。快適性やデザイン性は欠かせませんが、安全性をおろそかにした素材や製品では作業者や企業からの信頼は得られません。実際に着用する方々の声に耳を傾け、課題に寄り添った開発を進める必要があります。「作業者の安全をユニフォームで守る」という強い意志を業界全体で共有することが、ユニフォームの価値向上と市場活性化につながると考えています。
(毎週木曜日掲載)





