生産業務効率化を促す/XIFORM/東レACS/情報の管理から活用
2026年09月24日 (木曜日)
東レACSは、アパレルCADシステム「CREACOMPOⅡ」(クレアコンポⅡ)やアパレル向けデータ管理システム「XIFORM」(サイフォーム)などの提供を通じ、アパレル産業の業務効率化を支援してきた。サイフォームを仕様書システムとしてのみ利用しているユーザーが多いが、単に仕様書を作成するだけであればエクセルでも問題はない。サイフォームを使い仕様書のデータを有効活用することにより、業務の効率化と生産性の向上を提案している。
〈業界が抱える課題に寄り添う〉
東レACSは「日々の業務に追われるアパレルの現場では、自社や自部署が抱える課題を認識し、改善していくことは簡単なことではない」という。
商品情報がエクセルやPDFデータ、メールに分散。生産管理システムなど、他のシステムへの再入力。修正情報の伝達漏れによる作業ミス。アパレル生産の現場では、こうした課題に悩まされ、生産リードタイムの長期化につながるケースさえある。
デジタル技術で企業を変革するDXの推進で課題解決を図る企業も増えたが、取り組みの全てが成果を上げているとは言い難い。
東レACSは「情報は管理するだけにとどめず活用する」と、DX推進の方向性を示す。その上で情報活用を広げるツールとして、サイフォームを提示する。
サイフォームは、縫製仕様書や加工指図書、発注書などの帳票に記載されている情報の管理・共有・活用を行う。
充実した入力補助機能や作図機能により、データ入力に不慣れでも簡単に使用できる操作性を備える。
作成した帳票はデータベースで一元管理するため、さまざまな項目で検索して必要な情報を即時に抽出できる。絵型を一覧で確認することも可能だ。
レイアウトの変更、追加も自在にできるので、業務に合わせ柔軟な帳票変更にも対応ができる。
CSVファイルへの入出力機能を搭載し、図形についてもイメージファイルでの入出力を可能にした。エクセル、イラストレーター、JPEGなど各種ファイル形式の取り込み、出力も可能にし、社内システムとの連携に伴う自動化で、二重入力による手間や入力ミスを削減する。
〈情報の一元管理で生産性向上〉
主にパタンナーが作成する縫製仕様書で利用されているサイフォームだが、その活用の幅を広げることを提案する。
商品情報を取引先から送られてきたエクセルやPDF、紙といったさまざまな形式で管理を行っていると、必要な時に探す手間や転記でのミスが発生する。サイフォームで情報を一元管理することで、過去の資産を効率的に活用することが可能となる。
例えば、生産部が発注書や原価計算書を作成する際、縫製仕様書の情報を共有することで無駄な転記作業をなくし、帳票を作成する労力の軽減やミスの防止といった効果をもたらす。
また、原価管理でも資材の変更や価格の変更に素早く対応が可能であり、商品投入などの意思決定の迅速化につながる。
このように、データを一元管理し活用することで、部署間での重複作業を減らし、業務の効率化を図ることが可能となる。
〈システム連携で広がる可能性〉
サイフォームを導入するメリットは、データ連携の機能を活用することで拡大する。
東レACSのもう一つの基軸商品である「クレアコンポⅡ」との連携では、パターンデータやマーカーデータを取り込むことができる。パターンメーキングソフト「パターンマジックⅡ」やマーキングソフト「マーカーマジックⅡ」との組み合わせで、パターン図・マーカー図のほか、サイズ表や用尺の情報も直接的に取得できる。
また、エクセルやイラストレーター、CSVファイルなどさまざまなファイル形式での入出力機能を利用することにより、社内システムとの連携が可能となる。社内システムとの連携による自動化で、人為的ミスの削減を図ることができる。
ユーザーである工場と一体となって業務の効率化を図るオプションソフト「工場コックピット」も提案する。
工場コックピットは、生産計画の管理と進捗(しんちょく)確認を行う。計画の把握、確認作業の短縮、遅れの発見といった役割を果たす。
作業者が一つの工程が終了するごとにボタンを押すだけで、進行状況が分かる仕組みになっており、各ラインリーダーの確認の負担を軽減する。
生産計画と実際の進行状況との対比を、タブレット端末などでも表示できるため、現場から離れた場所での生産管理にも適している。
その他、アベイル、東光オーエーシステムなど各社とのシステム連携も進めている。
東レACSでは、カスタマイズによる専用機能の提供も行う。
日常的な作業や希望する業務がサイフォームの標準機能で実現できない場合、要望に合わせ専用機能の開発を行い、より使いやすいシステムへと変貌をさせる。
〈AI時代に対応する機能も〉
サイフォームは、さまざまな人工知能(AI)機能と連携することにより、その利便性を向上させている。
AI―OCR(人工知能を組み合わせた文字認識)と連動させることにより、取引先からの各種書類の情報を迅速に処理する。
縫製仕様書や発注書などは紙、PDFデータと媒体はばらばらであり、今も手書きが混在していたりする。データとして取り込むことで、転記作業の省略が実現する。また、データとして管理することで、情報活用が可能となる。
AI翻訳機能も追加すれば、海外生産の現場との書類を介した意思の疎通が迅速、円滑になる。英語と中国語に限定されず、ベトナム語など100カ国以上の言語に対応するのも大きな強みだ。
アパレル専門用語を登録することもできるため、自社に最適な翻訳を行うことも可能となる。
〈明石被服興業/カスタマイズで最適なシステム構築〉
東レACSは、サイフォームをはじめとしたデジタルツールの重要な提案先にユニフォーム業界を挙げる。従業員の高齢化による人手不足や技術継承の課題は、サイフォームを用いたデータ活用により解決可能としている。
明石被服興業は岡山県の老舗制服メーカーで、現在はスクール、スクールスポーツ、メディカルウエアを中心に手掛ける。同社はユニフォーム企業ではいち早くサイフォームマジックを導入し、生産業務の効率性を飛躍的に高めた。
導入前はデータベースが複数存在し、社内で資材などの情報の受け取りに差異が生じていた。情報が連携されていない状態は転記のミスを招く。業務改善による更新作業にも、膨大な手間と時間を費やしていた。
課題解決の手段を模索する中、東レACSから提案されたサイフォームマジックが、CADや基幹システムのデータを仕様書に取り込めることが決め手となり採用に至った。
実際、CADや基幹システムと連動させたことで、正確な情報を瞬時に仕様書に取り込めるようになった。
サンプル作成などを依頼する書類からも、一度入力した情報を直接取り込めるため、縫製仕様書が短時間で作成できる。
検索機能も有効に活用し、目的の品番に容易にたどり着ける利便性を体感している。
導入に当たっては東レACSの手厚いサポートを受け、システム移行は円滑に進んだという。





