特集 アジアの繊維産業(6)/ボーケン品質評価機構/現地密着のパートナー戦略/ASEAN3拠点で連携

2026年09月29日 (火曜日)

 ボーケン品質評価機構(ボーケン)は、ベトナム、タイ、インドネシアの3拠点が連携し、ASEAN全域をカバーするネットワークを構築している。アジアの繊維産業で大きなウエートを占める中国とASEANをつなぐことで、日本の繊維企業の品質課題を解決する存在として、現地密着のパートナー戦略を推進している。

〈ホーチミン試験センター/機能性試験も拡大/雑貨、家具まで対応〉

 ベトナムのホーチミン試験センターは、ボーケンのASEAN地域における基幹拠点の一つ。拡大するベトナム縫製に対応した品質試験を担っている。

 近年、ベトナムでも付加価値の高い生地による縫製が増加した。このため試験機関に求められる試験内容も高度化している。このためホーチミン試験センターはボーケンの国内の各試験センターや提携する大手試験機関であるSGSと連携し、機能性試験や化学分析試験にも対応することで現地のニーズに応える。

 また、アパレル製品だけでなく最近では雑貨や家具の試験も増加している。ボーケンは既に国内で雑貨や家具の品質試験で豊富な実績を持つ。これを生かしてベトナムでの雑貨、家具の試験も拡大を進める。

 引き続き機能性試験の対応力を強化する。雑貨や家具の試験の認知度も高め、試験依頼の拡大を目指す考えだ。また、ハノイなどベトナム北部の開拓にも取り組む。現在、ベトナム北部には中国系の大規模縫製会社が多い。こうした縫製会社が生産する日本向け製品の試験依頼獲得を目指す。

〈バンコク試験センター/周辺国からも依頼獲得/環境測定や内販支援も重視〉

 タイのバンコク試験センターは、タイ国内だけでなくカンボジアやミャンマーなど周辺国からの試験依頼にも対応することで存在感を発揮している。また、品質試験や機能性試験に加えて、工場の環境測定やタイ内販への支援にも力を入れる。

 タイの繊維産業は縮小傾向が続く。このためバンコク試験センターはカンボジアのプノンペンに事務所を設置し、カンボジアでも試験受け付け・サンプル受け付けを実施している。また、ミャンマーからの試験依頼にも対応する。タイだけでなくカンボジアやミャンマーなどを含めたインドシナ地域のハブ拠点としての役割を担う。

 品質試験に加えて、工場内のホルマリン濃度測定など環境測定にも力を入れる。また、タイは生産地から消費地へと変わりつつあることから、タイ内販に取り組む日系企業に対する支援にも力を入れる。例えば内販する製品に添付する表示の翻訳や表示内容に関して現地の法令に対応するためのアドバイスなどだ。

 品質試験から環境測定、さらには内販の支援までバンコクをハブとして幅広いサービスを提供することで存在感を高める戦略だ。

〈ジャカルタ試験センター/化学分析も強み/中部ジャワで取り組み強化〉

 インドネシアのジャカルタ試験センターは、機能性試験や化学分析を拡大してきた。日本の各試験センターとの連携に加え、SGSとの連携による対応力が強みだ。

 インドネシアでも近年は機能性試験の依頼が増加した。ジャカルタ試験センターは、現地での試験に加えて、日本の各試験センターとも連携することで依頼に対する対応力を高めている。また、提携するSGSと協力して、現地の化学分析ができることも強みとなる。

 インドネシアの繊維産業は、ジャカルタ近郊から西ジャワ州のバンドン、さらには中部ジャワ州のスマランなどに急速に移転している。このためジャカルタ試験センターも中部ジャワ地区の企業との取り組みを強め、試験依頼の獲得を進めている。

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 ボーケンは中国に充実した拠点ネットワークを持つ。ASEAN地域の3拠点がつながることで、東アジアから東南アジアまで広がるネットワークが完成する。近年、日本の繊維企業のアジア事業も日本向けの生産だけでなく、内販や三国間貿易を前提としたものに高度化した。

 こうした繊維産業の変化に対応し、ボーケンも品質試験だけでなく化学分析、環境測定、内販支援までサービスの拡充を図っている。日本とアジアの品質課題をともに解決するパートナー試験機関として、一段と存在感を高めることを目指す。