ごえんぼう
2026年10月01日 (木曜日)
1着の黒いドレスが、30年たっても「復讐」の看板を下ろさない。あの日のドレスを覚えている方も多いのではないか▼故ダイアナ元皇太子妃が1994年6月、当時のチャールズ皇太子の不貞告白が放送された夜に着た、いわゆる「リベンジドレス」が競売にかけられる。ギリシャ人デザイナーのクリスティーナ・スタンボリアン氏が手掛けたもので落札予想額は最高30万㌦(約4700万円)▼王室にとって黒は葬儀を連想させる色だったというから、夫の告白の日に肩を大胆に出した黒のドレスで現れたのは、なかなか気の利いた反撃だった。しかも本人が3年間も「大胆すぎる」としてクローゼットに眠らせていた▼皮肉なことに、夫の告白よりも妻の服装の方が長く人々の記憶に残った。そして30年後、記憶そのものが高値で売買される。ファッションとは実にしたたかだ。時に夫婦げんかさえ歴史的コンテンツに変えてしまう。





