旭化成 キュプラ軸に収益性向上

2026年10月08日 (木曜日)

 旭化成は、繊維関連事業の収益力向上に力を入れる。2026年4~9月は、キュプラ繊維「ベンベルグ」が利益面で上向くなど、繊維関連事業はおおむね堅調に推移しており、下半期以降も取り組みを加速する。ベンベルグを中心にBtoC向けプロモーションを強化するほか、TAフロンティアのシナジー創出を急ぐ。

 26年4~6月の繊維関連事業は、価格上昇を見越した需要の前倒しがあり、スポーツ・アウトドア用途や中国のアウター向けのベンベルグが順調に推移した。北米向け裏地やインドの民族衣装、資材用フィルターも好調だった。一方で、インナーやファッション関連は厳しい状況だった。

 7月以降も6月までと同様の傾向にあり、4~9月は、利益面ではベンベルグが上向いているほか、子会社の旭化成アドバンスも海外を含め前年を上回る見通し。ポリウレタン弾性繊維「ロイカ」は前年並みの予想となっている。連続長繊維不織布「ベンリーゼ」は、フェースマスクの需要が一巡した。

 下半期以降についても収益力の向上に継続して取り組む。ベンベルグは、22年4月に発生した火災事故からの復旧プロジェクトが12月に完了する予定。生産能力は、事故前の約9割に当たる年間約2万㌧まで回復する見通しだ。

 今年7月から生産量を2倍にした短繊維「ベンベルグBF」、スリットヤーン「ベンブリーズ」などと合わせ、販売拡大を図っていく。今後の重点テーマとして、インド向けでは民族衣装用途以外の生地開発に注力する。同国での展示会出展などで評価を得ており、需要拡大につなげる。

 ベンベルグを中心にBtoC向けのプロモーションも強化する。30代の若手社員を中心に、活用するツールやメディア、ターゲットなどを検討しており、早期の本格展開を目指す。BtoB向けでも吸放湿性を持つベンベルグが夏素材として適していることなどを訴求する。

 旭化成アドバンスと帝人フロンティアの統合新会社であるTAフロンティアについては早期のシナジー発揮に期待する。西澤明常務執行役員コンフォートライフマーケットユニット担当は「親会社としてできる限り支援する」とした。