台北紡織展/T2Tへのシフト鮮明に/欧州「30年政策」に対応

2026年10月08日 (木曜日)

 【台北=岩下祐一】6日に開幕した「台北紡織展」(TITAS)では、これまで主流だったペットボトル由来の再生素材から、繊維to繊維(T2T)へのシフトが鮮明になっている。欧州ブランドのT2Tニーズの高まりを背景に、台湾メーカーが単一素材化を支える提案を強めている。

 大手化繊メーカーでは、台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー)が、織物工場などで回収した端材をケミカルリサイクルしたナイロンのT2T素材を提案。遠東新世紀(ファーイースタン・ニューセンチュリー)も、T2Tを打ち出す。力麗(リーリー)はT2Tに加え、回収漁網を原料とする再生糸や再生TPEE(熱可塑性ポリエステルエラストマー)を紹介する。

 ナイロン糸メーカーでは、展頌(チェーンヤーン)が環境配慮型素材ブランド「Greenlon」(グリーンロン)を軸に、裁断くずや使用済み衣料、漁網を回収し、自社工場で再生する「エコ・ループ」を訴求。回収から再生までを一貫して手掛ける循環プラットフォームとして、ブランドへの提案を進める。

 集盛(ジーシェン)は、T2Tのための単一素材を提供するサプライヤーとしての立ち位置を明確にする。今回展では、回収漁網をケミカルリサイクルしたアルコール可溶性ナイロン膜を提案。生地、防水透湿膜、縫い糸までナイロンに統一し、衣料全体を単一素材にすることで、回収後のT2Tを進めやすくする。

 こうした動きの背景には、欧州の繊維政策の変化がある。欧州連合(EU)は2030年に向け、域内市場に投入される繊維製品について、再生繊維の利用を拡大する方向を打ち出している。欧州議会は、ペットボトルから衣料品を生産することは、ペットボトルの循環モデルと整合しないとの考えを示している。ボトルはボトル、繊維は繊維として循環させる考え方が強まりつつある。

 こうした中、アディダスも30年までに、使用するポリエステルの10%を繊維廃棄物由来にする目標を掲げ、ペットボトル由来から繊維廃棄物由来へのシフトを進めている。

〈地場6ブランド台湾素材で競演〉

 【台北=岩下祐一】台湾の素材企業31社と地場デザイナーズブランド6社が協業する「重製未来」(RECODE 2050)が6日、「台北紡織展」(TITAS)で披露された。48ルックを通じ、台湾素材の機能性や環境配慮をデザインで表現した。

 RECODE 2050は、台湾の繊維産業連合会、紡拓会が展開する台湾素材の海外市場開拓事業「紡織品整合行銷與商機開発計画」(TEPP)の一環。25年度に続く企画で、台湾素材企業の技術や機能素材を生かしながら、デザイナーがそれぞれの個性で服に仕上げる。

 参加したのは、UUIN、ALLENKO3(アレンコスリー)、oqLiq(オクリック)、Yentity(イェンティティ)、PCES(ピーシーズ)、Seivson(セイヴソン)の6ブランド。

 新竹市のガラス産業から着想し、ガラスの流動感や光の屈折を服の表現に取り込んだUUIN、都市生活における人のリズムを表現したアレンコスリーなど、各ブランドが異なる視点から素材の特徴を引き出した。ピーシーズは素材のリサイクルに焦点を当て、オクリックは機能性と環境への配慮をデザインに取り入れた。

 使用素材は、リサイクル素材、高機能・防護素材、快適機能素材など幅広い。素材企業が持つ技術をデザイナーの感性と組み合わせ、素材の機能や特徴を最終製品で示した。