ごえんぼう

2026年10月09日 (金曜日)

 NTT東日本の澁谷直樹社長が記者懇談会で語った「時間は線として積み重なる」という言葉が残る。生成AI(人工知能)との対話で得た気付きだという▼生成AIに哲学者ベルクソンの視点を模倣させ、過去・現在・未来とつながる「生きた時間」を考察したという。グループの防災のデジタル変革が、通信保全から自治体支援、住民避難支援へ広がったように、同じテーマを長く続けることで事業は深まり、領域を押し広げる。農業支援も遠隔サポートから施設園芸、品種改良へ展開し、一本の線が太くなる▼繊維業界でも、素材開発や環境配慮など単発の企画では終わらない。再生素材の活用や長寿命設計、地域産業との連携といった積み重ねが新たな市場を形づくる。目先の成果に追われがちな現場ほど、長い線を描く視点が欠かせない▼未来を見据え一歩踏み出す。同氏の言葉は、ビジネスに携わる者全てへの励ましに聞こえる。