台北紡織展/汗染み・弾性など機能進化/W杯ユニフォームに新素材
2026年10月09日 (金曜日)
【台北=岩下祐一】8日に閉幕した「台北紡織展」(TITAS)では、各社がスポーツ・アウトドア向けを中心に、最新の機能素材を提案した。汗染みの抑制や冷感、ストレッチ、耐久性など、用途や着用環境に応じて機能を細分化した素材が充実。循環と機能性を組み合わせた提案も目立った。
合繊大手の遠東新世紀(ファーイースタン・ニューセンチュリー)は、スポーツ向け高機能素材を提案した。ポリエステル長繊維「FENC TopCool Petal」(FENCトップクール・ペタル)は、花びら形の異形断面によって汗を素早く拡散・乾燥させる。柔らかな風合いや光沢に加え、汗でぬれた際の透けを抑える機能も備え、「アディダス」の「2026年ワールドカップ」各国代表チーム用ユニフォームに採用された。
このほか、通気性や湿気管理を高めた「FENC AeroZon」(同エアロゾン)、3D立体構造によって機能性とサステイナビリティーを両立した素材などを訴求した。
原糸メーカーの新光合成繊維(シンコウゴウセン)は、ポリエステル系のストレッチ繊維「NEOLAST」(ネオラスト)を中心に提案。スパンデックスの代替を狙い、伸縮性や回復性、圧縮性、快適性を確保しながら、T2T(繊維to繊維)に対応する。米化学・素材大手のセラニーズと開発を進め、現在は年産600㌧の生産体制を整える。今回展では糸から生地、衣料まで出展し、「アンダーアーマー」などブランドへの採用実績も紹介した。
加工糸・織布一貫メーカーの台湾富綢纖維(タイワンフーチョウセンイ)は、レジャーや通勤着など向けに吸湿速乾、涼感、ストレッチ、保温、防水透湿、耐摩耗などの機能素材をそろえた。
糸と生地組織を組み合わせ、汗を内側から外側へ拡散して乾燥を促し、表面に汗染みを出にくくした素材を提案。湿気を感知して生地組織が変化し、通気性を高める素材や、10万回以上の摩耗試験に耐えるワークウエア向け素材も紹介した。
機能織物メーカーの弘裕(ホンユー)は、循環素材と機能性を組み合わせた提案を強めた。使用済み漁網を回収して再生したナイロン素材や、生産工程で発生する裁断くずなどを再利用した素材を出展。建物の内装向け素材に加え、日射や強風、豪雨を想定した屋外用ロールスクリーンなども紹介した。
原糸から加工糸まで手掛ける聚隆繊維(ジューロンセンイ)は、機能性と循環を組み合わせた素材を提案した。「T2T隠痕糸」は発汗時の汗染みを目立ちにくくするほか、UVカットや着用時の快適性を備える。衣料のリサイクルを想定したT2T設計を取り入れた。
「冷淬糸」は繊維自体に冷感機能を持たせ、高温環境での持続的な涼感を狙う。接触冷感の指標となるQ―MAX(最大熱吸収速度)は0・23で、軽量性や染色堅ろう度も特徴とする。





