特集 PANTEXTILES OSAKA 2026(1)/28、29日に大阪で58社が出展/機能・環境対応で日本向け強化

2026年10月14日 (水曜日)

 台湾の素材メーカー・商社58社が出展する「パンテキスタイル大阪2026」が、28、29日に大阪市の天満橋OMMビルで開かれる。冷感、UVカットなどの機能素材に加え、リサイクル、バイオ由来の環境対応素材も目立つ。スポーツ・アウトドアからユニフォームなどにも用途を広げ、日本の顧客との共同開発や新規開拓を進める企業も多い。本特集では、注目出展企業を紹介する。

〈福懋興業/防水透湿など高機能素材〉

 合繊織物メーカー最大手、福懋興業(フォルモサ・タフタ)は今回展で、防水透湿素材「eSMORE―TEX」(イースモアテックス)やUVカット生地、超軽量・高耐摩耗生地、繊維to繊維のリサイクル素材を打ち出す。

 イースモアテックスは、ナイロン製ナノファイバー膜による防水、透湿、通気機能を備え、軽量で柔軟性に優れる。2027年第1四半期の量産開始を計画する。

 UVカット生地は汗染みと透けを抑え、UVの遮蔽(しゃへい)効果「UPF50+」、吸水・速乾性を備える。超軽量生地は7~1デニールの極細糸を使い、耐摩耗性、UVカットにも対応する。

〈新光紡織/表面感生かした機能素材〉

 合繊織物メーカー、新光紡織(シンコン・テキスタイル)は、シアサッカー調の凹凸感を持たせた編み物を提案。ストレッチ性を備え、スポーツとライフスタイル用途を想定する。日本の顧客が重視する手触りや素材の表情を意識して開発した。

 反射機能を加えたストレッチ素材も訴求する。夜間のランニングなどのスポーツウエアに加え、ジャケットとショートパンツのセットアップなどライフスタイル用途も想定する。

 消臭機能素材も打ち出す。日本の素材・商社系企業と共同開発中で、たばこの煙や汗などの臭いを対象とする。

〈興采実業/「S.Cafe」など機能素材〉

 機能性生地メーカーの興采実業(シングテックス)は、コーヒーかす由来のポリエステル素材「S.Cafe」(Sカフェ)の涼感シリーズや、裏面を起毛した防風・撥水(はっすい)織物「ストームフリース」などを出展する。

 Sカフェの涼感シリーズは、中空糸を使い、天然繊維調の風合いと涼しくドライな着用感を追求。ストームフリースは、高密度でストレッチ性を備え、耐久撥水・防風性にも優れる。欧米の大手アウトドアブランドとの取り組みを拡大している。

 ポリエステルのみで構成し、使用後にリサイクルできる防水透湿フィルムも紹介する。

〈大宇紡織/ピーチスキン重点に〉

 合繊織物メーカー、大宇紡織(ユニバーサル・テキスタイル)は、表面に細かい研磨処理を施したピーチスキンを紹介する。ポリエステル100%で、コーデュロイ調の表情にメカニカルストレッチ、イージーケア、吸汗速乾、抗菌などを備え、カジュアルからアウターまで幅広い用途を想定する。

 千鳥格子も出展する。コートやアウターなど、素材の柄や表情を生かした秋冬向け素材として提案する。

 同社は、台湾でDTY(仮撚り加工糸)から製織まで一貫生産する。ベトナムでは展頌(チェンヤーン)グループと連携し、編み物の取り扱いも始めた。

〈集盛実業/ナイロン6単糸など紹介〉

 合繊メーカー、集盛実業は、ナイロン6単糸を出展する。直接紡糸による強度の高さと染色性が特徴で、靴や蚊帳、テント資材などの用途を想定している。ポリプロピレン(PP)を使った特殊糸も紹介する。

 同社はナイロン6、同66、ポリエステル、PPを扱うマルチ素材の一貫供給プラットフォームを掲げ、用途に応じて複数素材を組み合わせられる点を訴求する。

 同社工場は全て台湾にある。今年後半は、台湾・台北、日本の大阪、金沢でそれぞれ開かれる展示会に出展し、日本の商社、メーカーとの関係づくりを進める。

〈●亜/PP使いのダブルフェイス〉

 合繊生地メーカー、●亜(ティアラ)は、表面にポリエステルとカチオン可染ポリエステル、裏面にポリプロピレン(PP)を配したダブルフェースの織物を紹介する。同素材は、ポリエステル約56%・カチオン約23%・PP約21%。PPの疎水性と保温性を生かし、軽量ながら暖かく汗冷えしにくい。パンツやスポーツウエア向けを狙う。

 同社は近年、PPやポリエチレン(PE)を使った斬新な開発品を打ち出してきたが、今後は顧客が使いやすいPPやPEを使った定番品へ軸足を移し、バルク受注を目指すとしている。

(●は糸へんに是)

〈綿春/PLA使いや冷感編み物〉

 ベトナムと台湾に生産拠点を置く編み地メーカーの綿春(メイチュエン)は、非食用の工業用トウモロコシ由来のPLA素材や、東レの糸を使い吸汗・放湿と冷感を高めた素材を紹介する。

 PLA素材は、吸湿・速乾性などの機能性に加え、植物由来素材としての環境面も訴求する。東レの糸を使った素材は、異形断面の糸を組み合わせることで、吸汗・放湿性を高め、冷感性を持たせた素材として提案する。

 同社の台湾工場とベトナム工場の生産能力は拮抗(きっこう)しつつある。染色ベースの月産能力は、台湾が約700トン、ベトナムが約600トン。

〈東紡興業/超広幅・高弾性の素材〉

 染色一貫の織物メーカー、東紡興業(ワイドプラス)は、3・6メートルの超広幅エアジェット織機で生産する高ストレッチ性の広幅素材を紹介する。縫製の裁断効率の向上に貢献し、カジュアルパンツやヨガウエアなどに向くことを訴求する。

 独自開発の遮熱糸「ミニアール」を使った素材も打ち出す。表にフルダル糸、裏に双糸を使うダブルフェース組織で、吸汗速乾と接触冷感を両立。用途は、ゴルフウエアやユニフォームを想定する。

 ポリプロピレン(PP)を使った機能素材や、単一素材でリサイクルがしやすい生地も出展する。

〈和意実業/アバカ素材で新規用途〉

 マニラ麻(アバカ)を原料とする紙糸「abacell」(アバセル)を展開する和意実業(ハーイー)は、細番手と太番手を出展し、日本ブランドの新規開拓や、提携先探しを進める。

 43番手の細番手は、編み物向けの一部量産が今年、本格化している。6番手は、ヘビーウエートの衣料向けとして開発中だ。

 アバカとテンセルを混紡したシューズ用アッパー素材が北米大手アウトドアブランドに採用されるなど、今年は欧米向けで実績を積んでいる。欧州企業とは、産業資材の共同開発にも乗り出した。

〈織登/単一素材の防水生地など〉

 生地商社の織登(パルテック)は、糸から製織、編み立て、染色加工、フィルム、ラミネート加工を組み合わせ、顧客が求める用途、性能、環境配慮、コストに応じた素材を提供する。

 今回展では、表地・膜・接着剤まで単一素材を使った防水織物、バイオ由来原料を使うストレッチラミネート、7~15デニールの極細糸による超軽量織物、UVカットの織物・編み物を展示する。

 2003年設立で、欧米ブランド向けが中心。日本の展示会は今回が初めてだ。防水透湿生地を中心に、アウトドア、スポーツ、ワークウエア向けの素材を供給している。

〈永ホウ/麻調・シアサッカー調素材〉

 永ホウ(ジャムテックス)は、ポリエステル長繊維で麻調のシワ感を出した素材と、シアサッカー調の凹凸素材、短繊維のような毛羽感と膨らみを持つ軽量素材を紹介する。

 創業から約33年間、台湾を本拠地とする開発型生地商社として展開する。当初から欧米を中心に、南米のブラジルやアルゼンチンにも生地を供給してきた。近年は日本、韓国などアジア市場の開拓にも力を入れる。

 数年前から日本市場の開拓を本格化し、現在は日本向け売上比率が約15%まで拡大している。スーツやワークウエア関連企業などへの供給実績がある。

〈立祥/特殊糸の染色で差別化〉

 台湾のナイロン仮撚り加工糸(DTY)メーカー最大手の立祥(リーシャン)は、特殊糸の優れた染色性を前面に出す。二色・花紋の特殊効果を表現できる「TCD糸」や、綿の風合いを追求したポリエステル短繊維、30デニールなどの細デニールナイロン糸を紹介する。

 ポリエステルとカチオン繊維を使ったTCD糸は、異なる染料を使い、二色や花紋などの特殊効果を生地で表現できる。CD糸は、カチオン染料による低温染色が可能だ。

 同社は、ナイロン長繊維のDTYと染色加工が主力で、ポリエステルの染色も展開する。