繊維ニュース

東レ 次の100年へ挑戦

2026年10月15日 (木曜日)

 東レは、創業100周年を機とした「東レ100周年繊維総合展」を、16日まで東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館で開いている。次の100年に向けた挑戦の場に位置付け、各事業部と東レ合繊クラスターが出展。西村友伸常務執行役員繊維事業本部長は「東レの強みは生産、販売、技術、研究の距離が近いこと。それを具現化して見せる」と強調した。

 東レの繊維事業本部からは、婦人・紳士衣料、スポーツ・衣料資材、機能製品、ウルトラスエード、長繊維・短繊維の各事業部が出展し、総合力を披露。西村常務執行役員は「東レ合繊クラスターには、かけがえのないパートナーとして出てもらった」とした。

 婦人・紳士衣料事業部は、独自の先端技術を機能性だけでなく、質感や美しさまで設計する発想で融合し、高感性素材・新素材を打ち出している。スポーツ・衣料資材事業部は、高機能素材をスポーツ用途だけでなく、日常着にも展開し、次世代アパレルの新たなスタンダードにつなげる。

 ウルトラスエード事業部は人工皮革「ウルトラスエード」を紹介。ファッション用途でスタートし、インテリアや自動車関連に用途を広げてきた。「そのバリエーションを感じてほしい」とした。機能製品事業部は、高遮熱と高通気を両立した「ボディシェルVP」、短繊維複合の新ブランド「ZoneBlend」などを並べる。

 長繊維・短繊維事業部は、付加価値ファイバー群を再編集した「Toray Premium GOUSEN select」を提案している。東レ合繊クラスターは、15社が出展。6月の総合展で人気だった商材のほか、各社がイチ押しの10点を展示している。

 生地総合展「東京テキスタイルスコープ」(TTS)内で開催している。西村常務執行役員は「日本の繊維を強くしたいという思いがある。東レの繊維総合展を見てもらい、TTSのほかのブースも回ってほしい。それが国内繊維産業を元気付けることにつながれば」と話した。

国内産地と生地を開発 婦人・紳士衣料事業部

 東レの婦人・紳士衣料事業部は、原糸に占めるリサイクル由来原料比率93%以上を達成したポリエステル・ナイロン複合繊維を開発した。この原糸と国内産地の織・編み技術、高次加工技術を組み合わせた生地「アーティローザ シーエックス」の販売を始める。「東レ100周年繊維総合展」で提案している。

 一般的に複合繊維は、機能性や繊細な表情を生み出せる一方で、異なるポリマーを合成する構造上、安定した品質を保ちながらリサイクル原料を高比率で適用することが難しい。同社は、ポリマー設計技術や複合紡糸加工技術を駆使することでこれを克服。将来は100%リサイクル原料の使用を目指す。

 アーティローザ シーエックスは、新原糸と産地のノウハウを掛け合わせ、高感性と高機能を両立した。高密度で緻密な表面感とシャープで洗練された風合いを特徴とし、防水性や耐久撥水(はっすい)性、防風性なども付与することができる。

 天然繊維(綿、綿・麻など)やナイロン短繊維、A型中空断面糸と組み合わせるなど、多様なバリエーションを用意する。紳士アウターを中心に、婦人アウター、都市型アウトドアなどの用途に提案する。従来品と比べ、生地値は約5割増となるが、「手間をかけて作り込んだ。安く売るつもりはない」とした。

 イタリアの服地見本市「ミラノ・ウニカ」でも提案する予定で、国内外で拡販を図る。2027年度に20万㍍の販売を目指す。