ユニフォーム業界の 風を読む(4)/東洋紡せんい 営業本部ユニフォーム・スポーツ事業部長 山本慎太郎氏

2026年10月15日 (木曜日)

革新的取り組みに協力

  ――2026年度上半期(4~9月)を振り返ると。

 ワークウエア分野は堅調です。短繊維織物など昔ながらの定番品はコストアップによる値上げの影響もあって受注が減少していますが、その代わりに合繊長繊維丸編み地やストレッチ生地にシフトしています。ワークウエアも合繊長繊維によるニット化が一段と進み。高密度ポリエステル長繊維丸編み地「スクラムテック」の採用が広がりました。ベトナムの縫製子会社、東洋紡ビンズンを活用した製品供給が中心です。

 また、白衣を中心に織物を求めるユーザーからはストレッチ生地「オールフレックス」が好評です。このため当社のユニフォーム向け生地・製品の売上高に占めるニットの比率は40%に達します。ただ、これはポロシャツを含む数字であり、アウターやボトムではまだニットの採用が一部にとどまっています。言い換えると、まだまだ拡大する余地が大きいということです。

 一方、上半期は利益面でやや苦戦しました。円安で海外調達コストが上昇したことが要因です。しかし、下半期(26年10月~27年3月)に入ってからはオーダーも堅調です。利益率の低い定番品のウエートが低下していますから、売り上げが大きく増えずとも利益率は改善することが期待できます。

  ――下半期の課題や戦略は。

 引き続きスクラムテックやオールフレックスなど高付加価値品の拡販が基本戦略です。ますます〝プラスα〟の機能が必要になります。例えば環境配慮、高通気、遮熱、UVカットなどです。そこでスクラムテックも春夏対応タイプを開発しました。薄地化によって高通気性を実現しながら、高い抗スナッキング性も確保しています。

 そのほか、マテリアルリサイクルする「T2T」にも取り組んでいます。食品白衣の取引先との協業で回収した製品のリサイクルを進めます。

 海外販売もテーマです。ベトナムの東洋紡ビンズンは販売機能もありますから、現地の展示会にも出展し、欧米や現地アパレルからの受注獲得を目指します。

  ――ユニフォーム業界の活性化に向けて何が必要でしょうか。

 ユニフォーム業界は、電動ファン付きウエアの実用化や、デニム製作業服の登場など革新的な取り組みを実現してきました。最近でもペルチェ素子など新しいテクノロジーを活用した商品が市場で増えています。

 当社のような素材メーカー・商社は、こうした革新的な開発や取り組みに対して素材面で協力することが重要だと思います。海外からも注目されるケースが増えていますから、今後は日本のユニフォーム素材・製品が海外市場にも広がる可能性があると思います。

(次回は29日に掲載予定)