ごえんぼう

2026年10月23日 (金曜日)

 25年前の10月23日、「iPod」が発表された。音楽の持ち運びを変えた機器は進化し、約千曲から最大約4万曲を携帯できるまでになった▼やがて音楽はスマートフォンに統合され、12年前に製品としての役割を終える。スマホは写真、動画、地図、決済、通話などを担う複合機器だ。音楽の聴き方も変えた。単機能から〝機能の集約〟へ価値が移る流れは、繊維にも重なる▼肌着やスポーツウエアなど、今や単一機能の製品は珍しい。薄さ、軽さ、耐久性、吸放湿性、吸水速乾性、ストレッチ性、保温性や冷感などを備える。iPodをスマホが吸収したように、繊維も複数の機能を束ねる方向へ進化しているのか▼技術が進むほど、価値は単機能から複合へ向かう。機能は体験価値と言い換えられるだろう。モノ作りへの示唆は大きい。繊維産業も同様か。機能をどう束ね、暮らしの体験をどう再編するかが問われているだろう。