ごえんぼう

2026年10月26日 (月曜日)

 子供の頃、タカラトミーの「人生ゲーム」が好きだった。ただ、遊ぶより自分で作る方が好きだったかもしれない▼雨の日の教室で、友達と自作の人生ゲームに興じた。サイコロ代わりに鉛筆を転がし、スパイや悪徳政治家など、本家にはない職業に就く。資産を多く残した方が勝ちだが、一獲千金を狙って破滅するかもしれないスリルも楽しかった▼最近、SNSで「80億分の1」というゲームが話題だ。世界の誰かとして生まれ、国や家庭環境、運に左右される人生を疑似体験する。そこには、自分で筋書きを決める自由はない。遊んだ人からは「考えさせられる」との声もある▼試してみると、コンゴ共和国の農村で貧しい家庭に生まれた。借金に追われながらも、多くの子供に恵まれ、87歳で天寿を全う。資産だけを考えるなら負けかもしれない。だが、人生に勝ち負けはあるのか。それを決めるのは、果たして一体誰なのだろう。