繊維ニュース

26夏商戦 “涼しさ+α”が売れ筋に

2026年10月26日 (月曜日)

 長引く暑さが衣料品の売れ筋を変えている。2026年の夏は、接触冷感や吸汗速乾などの機能性に加え、流行のシルエットや上品な見た目を備えたアイテムも支持を集めた。紳士用ハーフパンツの売上高が前年同月の2倍を超えた企業もあり、暑さ対策が新たな需要を生み出している。靴下や学校制服などにも需要が広がっており、来夏は涼しさに付加価値を加えた商品開発が一段と重要になりそうだ。

 ファーストリテイリングの「ユニクロ」では、「ウルトラストレッチパンツ」や紫外線対策商品「エアリズムUVカットメッシュフルジップパーカ」などが好調だった。ジーンズやジャージー、チノなど、素材のバリエーションが豊富な「バレルパンツ」も売れ筋となった。

 同社の岡﨑健取締役グループ上席執行役員CFOによると、6月と8月には一時的な気温低下で夏物需要が伸び悩んだものの、トレンドを反映したシルエットの商品が売り上げをけん引した。快適性や機能性に加え、流行を取り入れたデザインも購買を促した。

 しまむらでは、吸汗速乾機能を持つプライベートブランド(PB)「ファイバードライ」のパーカや、接触冷感の機能を備えた「クール」シリーズのリラクシングパンツが好調だった。猛暑日が続いた8月度(7月21日~8月20日)の既存店売上高は前年同月比5・3%増となった。

 担当者は「猛暑で『すぐ涼しい』商品への反応が例年以上に強かった」と話す。衣料品にとどまらず、抗菌防臭機能を持つ「クロッシー」のタオルや、冷感性を高めた「クロッシープレミアム」の〝超クール〟ラグなど、インテリア商品にも暑さ対策需要が広がった。

 三陽商会では、紳士用ハーフパンツが売り上げを伸ばした。7月の売上高は前年同月比2・1倍となり、酷暑を背景に「涼しさ」と「動きやすさ」を求める需要が拡大した。

 上品で清涼感のある素材使いや、カジュアルになり過ぎない丈感が特徴。担当者によると、快適さと“きちんと感”を両立できるアイテムとして支持され、着用シーンの広がりも好調につながった。

複合機能でヒット生み出せ

 靴下製造卸の岡本では、接触冷感素材を使った「脱げないココピタ ひんやりタイプ」が人気を集めた。同商品を含むココピタシリーズのスニーカー形態全体の出荷足数は前年比136%となった。

 室采音ブランドマネージャーは、SNSによる「足もとクールビズ」の啓発活動が奏功し、猛暑対応の機能性靴下として受け入れられたと分析する。来夏は「ココピタひんやり実感」として定番商品化し、機能性も一段と高める計画だ。

 学校制服でも暑さ対策商品の需要が高まっている。トンボが27年度に向けて発売する暑熱対策素材「スケナイス」を使ったポロシャツは、受注数が6万点に達した。

 同素材は高い防透け性能に加え、遮熱、接触冷感、紫外線防止などの機能を備える。学校生活でポロシャツの着用機会が広がる中、快適性と防透け性を両立した点が評価された。今後は体操服への展開も計画する。

 猛暑の長期化で、暑さ対策は衣料品選びの重要な要素となっている。一方、涼しさだけでなく、デザイン性や着用シーンに応じた機能も求められている。来夏に向けては、冷感、遮熱、通気性などの機能を組み合わせるとともに、ファッション性や用途に応じた快適性をどう高めるかが、ヒット商品を生み出す鍵になりそうだ。