検査機関 厳しい環境下でも健闘
2026年10月27日 (火曜日)
検査機関が強みを発揮している。事業を取り巻く環境は厳しいが、2026年上半期(26年4~9月)の業績は、前年同期を上回る検査機関も目立つ。中国での機能性試験拡充など、納期を含めた顧客ニーズへの対応が奏功した。各機関が独自路線を強化しており、下半期以降もそれぞれの立ち位置で存在感を示す。
事業を取り巻く環境について、各検査機関が「厳しい」と口をそろえる。中東情勢の長期化によるコスト高、衣料品市場の低迷、人件費上昇などの影響を受けているという声が多い。ただ、業績面については底堅さを示しており、特に東京の拠点や中国の拠点がけん引役になっている。
ボーケン品質評価機構(ボーケン)は、「全体としては増収増益で推移している」とし、日本繊維製品品質技術センター(QTEC)も増収増益を確保。ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)は「8月までは売上高が前年を上回った」とした。カケンテストセンター(カケン)は、売上高が前年並みで推移した。
国内では、各種機能試験に加え、認証業務や分析事業などが健闘した。好調だった中国は、接触冷感や遮熱性、紫外線遮蔽(しゃへい)などの機能性試験を導入したことが奏功した。機能性試験の強化を継続する方針を打ち出している。
下半期以降は、カケンが「中国とASEAN地域の拠点を中心に機能性試験の実施を強化する」としているほか、ライフサイクルアセスメント(LCA)の算定・支援、コンサルティング機能などを強化する。26年度は5カ年中期経営計画の初年度であり、人材育成にも注力する。
ボーケンも人材育成をポイントの一つに挙げる。特に国際認証などに関わる業務で体制の充実を図っていく。そのほか、海外事業でASEAN地域のテコ入れを進める。各拠点の特徴を明確にしながら連携することでASEAN地域全体での機能を高める。
QTECは、人材育成に継続的に取り組んでおり、ナショナルスタッフを含めて「各拠点で職員の成長を実感している」と話す。中期経営計画は26年9月で中間点を迎えたが、一部のタスクフォースを発展的に解消し、新たなタスクフォースを加えるなど、着実に成果を上げている。
ニッセンケンは、知的財産(IP)関連の強化や海外進出支援などに力を入れる。また、新分野として、従来の香粧品に加え、医薬品や医薬部外品の試験需要も取り込む。「エコテックス」で培ってきた有害物質の分析力を生かすとともに、情報を的確に届けることにも目を向ける。
各社共通の課題は、デジタル技術で企業を変革するDXや人工知能(AI)による効率化になる。人件費高騰や働き手不足を背景に加速する。





