伊藤忠が事実上買収/酒清織物の産資子会社

2002年07月15日 (月曜日)

 伊藤忠商事は、私的整理する酒清織物の子会社で三軸織物など産業資材用織物の製造販売を手掛けるサカセ・アドテック(福井県丸岡町)を事実上買収し7月9日付で新会社を発足させた。

 社名は変えない。資本金は5000万円で、伊藤忠が90%、創業者一族が10%の株主構成となる。社長には伊藤忠の小林宗太郎繊維資材・リビング事業部コーディネーターが就いた。

 新サカセ・アドテックは既存の三軸織物・炭素繊維複合材料に加え、酒清織物から二軸織物や農園資材など機能テキスタイル商権を譲り受け、初年度売上高3億円を見込んでいる。

 酒清グループと伊藤忠との取引関係はほとんどなかったが、酒清が単独での事業強化拡大には限界があると判断し、出資と販売支援を要請。以前から人工衛星のアンテナ用基布などに使う三軸織物などの技術優位性を評価し、北陸産地でも非衣料・産資分野の強化を目指す伊藤忠が応じた。