特集 第60回東京ファッション産業機器展―60th FISMA TOKYO/未来につなぎ、世界に広げるNIPPONモノづくり/多様な分野で活用される機器紹介

2026年11月04日 (水曜日)

 東京都ミシン商工業協同組合が主催する「第60回東京ファッション産業機器展―FISMA TOKYO」が11月12日に東京ビッグサイトの西3ホールで開幕する。今回のテーマは「未来につなぎ、世界に広げるNIPPONモノづくり」。約100社が出展し、縫製工場などモノ作りの現場に向け、最新鋭の技術を搭載した機械を一斉に披露する。会期は13日まで。

 60回目の節目を迎える同展は、縫製に関連する準備から仕上げまでの工程を網羅した形で、各種の生産・加工機器を紹介する。今回は、対象をアパレル以外の産業にも広げ、多様な分野で活用されている縫製関連機器なども豊富にそろえる。

 新たな試みとして、個人や小規模のクリエーターに向けた生産・加工機器や資材を集めた「クリエーター支援ゾーン」を設置する。

 津田蘭子氏、赤峰清香氏、かたやまゆうこ氏といったクリエーターが、ミシンメーカーの支援を受けて、オリジナルのモノ作りの魅力を伝えるワークショップも企画した。

 津田氏らによるクリエーターセミナーや、出展企業が自社商品を通じて未来のモノ作りを提示する出展者セミナーも実施する。

〈省力化・脱技能化など提案/品質など現場の課題解決/PEGASUS〉

 PEGASUSは、得意とするニット関連の環縫いミシンや、省力化・脱技能化につながる機器を出展し、縫製現場の課題解決策を提案する。

 同社は、縫製現場では熟練縫製工の不足や品質のばらつきが課題になっていると指摘。こうした課題に対応する「脱技能化」「省力化」ミシンの提案を強化し、高品質で安定したモノ作りの実現を目指す。

 オーバーロックミシンでは、ダイレクトドライブモーター、コントロールボックス、オペレーションパネルを本体に一体化した「MX5214―A―03/333―2X4/AT8G/D432」を出展する。

 防振性や防じん性に優れ、作業環境とメンテナンス性の向上に貢献するほか、生地検知センサーを備え、押さえの上げ下げや糸切りを自動化する。手元を照らすLEDライトや、使用するエアを抑える省エネルギー性能もアピールする。

 また、ロングアーム仕様の「カバーリング用縦筒型偏平縫いミシン」も展示する。

 このほか、自動化を支援する機器として「衿リブ付けユニット」「平物袖口伏せ縫いユニット」などをそろえる。生地を正しくセットすれば、設定通りに縫製できるよう作業を補助し、品質の安定化と省力化につなげる。

〈「ネクシオ」中心に出品/独自電子機構など提案へ/ブラザー工業〉

 ブラザー工業は工業用ミシン「ネクシオ」シリーズを中心に、同社独自の電子機構などを搭載したミシンを提案する。

 「S―7300B」は同社の電子送り技術「デジフレックス・フィード2・0」を搭載した本縫いミシン。作業者の負荷が少ないため使いやすく、高い縫製品質も実現した。

 新たに搭載したデジフレックス・フィード2・0では、8種類の送り制御を実現し、生地や作業者の感覚に合わせて細かい設定が可能。ハイパワーモードで、力強い生地送りも実現する。

 「BAS―342K」は釜まわりの調整状態をデジタル化する「デジフレックス・チューン」を搭載した。ミシンの針棒の高さや針の隙間、針と釜が出合うタイミングなどの調整を数値化し、パネルを確認しながら、0・01㍉単位で調整できる。作業者や環境による調整のばらつきを抑える。

 「BAS―365H」は大型の縫製エリアを搭載しながらも、高い剛性を持つ送り機構を搭載し、高速かつ精度の高い縫製を実現する。設置面積を抑えることができるため、省スペース化にも寄与する。

 ほかにも、広いフトコロとデジタル化した数値管理を標準採用する「UF―8910」なども出品する。

〈業務効率高めるツール紹介/システム連携の可能性提示/東レACS〉

 東レACSは、アパレルCADシステム「クレアコンポⅡ」やアパレル向けデータ管理システム「サイフォーム」など各種ツールを、アパレル産業に提供する。FISMA TOKYOでは、業務効率化に向けた最適なシステム活用法を提案する。

 クレアコンポⅡについては、他社リプレースや異業種への展開を図っている。そうした中、運用コストを抑えながら、3次元バーチャルフィッティングソフト「パターンマジックⅡ3D」とのシームレスなインターフェースや習得しやすい操作性が再評価されている。

 実際、専門学校や大学への導入が多く、アパレルメーカーや個人パタンナーの設計段階での簡易的なトワルチェックにも活用される。

 サイフォームは、加工指図書として使用できるほか、生地や付属情報、画像データなどを他システムと連携、共有することも可能。

 現在、生産管理者やデザイナーといったパタンナー以外の担当者から「縫製仕様書のデータを発注業務にも活用したい」との要望が多く寄せられている。

 今展では、人工知能(AI)の活用によるサイフォームの機能強化をアピールするため、AI―OCR(光学文字認識)やAI翻訳についての説明を行う。