特集 北陸ヤーンフェア2026(3)/出展者の見どころ/東レ/ソアロン/TAフロンティア/豊島
2026年11月05日 (木曜日)
〈「TPGS」を訴求/短繊維事業部の商品も/東レ〉
東レは昨年までより展示スペースを広げ、長繊維事業部に加えて短繊維事業部の商品も紹介する。今年100周年を迎えた中、これまでの歴史のトピックスを紹介するコーナーも設ける。短繊維事業部の商品では、風合いをキーワードにした特殊原綿などが出品される。
長繊維事業部の商品では、高付加価値ファイバーシリーズ「Toray Premium GOUSEN Select」(以下、TPGS)を柱に訴求する。原糸のブランディングを強化する中、昨年10月に打ち出したシリーズ。高い防透け性と紫外線遮蔽(しゃへい)、汗染み抑制などの機能を持つ「ギガダル」、環境配慮型ストレッチファイバー「スプリングフィット」、着用時の快適性を高めるナイロン「キュープ」、極細ナイロンファイバー「ライティグラム」の4商品から展開を始め、今春から「オーリスト」を加えた。オーリストは、独自の複合紡糸技術「ナノデザイン」を応用し、シルクの約10分の1という極細繊維で上質な風合いと光沢を実現している。
TPGSの訴求を強める中、特殊原糸の海外での販売も伸びている。例えばキュープが中国などの市場で好評を得ており、差別化を志向するブランドからの期待も大きいという。
気候変動で酷暑対策が重要なキーワードになる中、ギガダルは性能面で優位性を持つ商品として引き続き順調に推移する。酷暑対策では、新たにブライト糸で高い紫外線遮蔽率を実現した「クリアベール」も開発した。シア系素材への流れが出る中、これまで両立が難しかった性能を両立させた商品として人気を高めている。
〈横編み用先染糸を訴求/北陸ヤーンは初出展/ソアロン〉
ソアロン(大阪市中央区)は今回が初出展となる。
同社は世界唯一のトリアセテート長繊維「ソアロン」を生産・販売する。ソアロンは天然パルプが主原料の半合成繊維で、上品な光沢感とドレープ性を持つ。ソアロンを使用した各種テキスタイルは海外ブランドからも高い評価を得ている。
今回展では「マイリーザ」「ESPO」をメインに提案する。マイリーザはトリアセテート・ポリエステル複合による横編み用先染め糸。肌に優しい自然な質感としなやかなドレープ性が特徴だ。優れた発色性と上品な光沢もあり、縮みにくくピリングも起きない。
「ESPO」はトリアセテート100%先染糸(165デシテックス)。光沢と発色の良さ・水にぬれても膨潤しにくい上、縮みにくく、挙動が安定している。優れた熱セット性もある。
同社は2025年3月に、GSIクレオス傘下となり、新スタートを切った。
ソアロンの原糸は富山工場(富山市)で生産しており、主に北陸産地で織布、編み立て、染色加工を行っており、日本製のテキスタイルとして国内外に販売する。
ソアロンを使用したテキスタイルは日本、欧米、中国でも高い認知度がある。
〈新しい体制を訴求/産地とのすり合わせの場に/TAフロンティア〉
帝人フロンティアと旭化成アドバンスの統合会社として10月1日に発足したTAフロンティアは、今回展で新会社としての訴求をメインに位置付ける。旧帝人フロンティアと旧旭化成アドバンスの商品を紹介するとともに、産地企業と話し込む場としても北陸ヤーンフェアを活用する考え。
ブースでは、旧帝人フロンティアと旧旭化成アドバンスの差別化糸を紹介する。旧帝人フロンティアの商品は長繊維を中心に紹介する考えで、PTT繊維「ソロテックス」やウール調の「トリクシオン」、UVカットや防透性などが特徴の「ファインハント」などを紹介する。ブースでは帝人フロンティアニッティングの糸加工も訴求する。旧旭化成アドバンスの商品では、キュプラ繊維「ベンベルグ」の複合糸やジアセテート「ナイア」などを紹介する予定。
今回の展示会で新会社の体制を紹介するとともに、産地企業と話し込む場としても生かす。産地企業からの声を今後の糸展開に生かす考えで、「まずは擦り合わせ、その後に組み合わせていく」とする。今後は両社の素材を掛け合わせた展開とともに、それぞれが持つ産地とのネットワークを使った新しい糸作りも視野に入れる。
〈暑熱対策など高機能素材訴求/資材向け遮熱シートも紹介/豊島〉
豊島は暑熱対策や環境配慮に対応する独自の高機能合繊素材を提案し、北陸をはじめ国内産地企業への提案深耕や新規開拓を狙う。資材向けに高純度アルミ素材の遮熱材「サーモバリア」も披露する。
衣料品向けを中心に訴求を強めるのが、特殊セラミックを配合した繊維使いの「UVPROTEC」(UVプロテック)。繊維中のセラミック粒子により、近赤外線や遠赤外線を遮蔽。紫外線やブルーライトも遮る機能を持ち、日射による影響を軽減できる。Tシャツ向けに採用が増えている。
英国スタートアップ、アンフィコと共同開発・販売を進めるのが「アンフィカラー」だ。6色のナイロン原着糸を使い、経糸・緯糸の組み合わせで3千種類以上の色を表現できる。堅ろう性も高く、後染め工程も不要な環境配慮素材として打ち出す。アウトドア系のブランドに採用実績がある。
サーモバリアはアルミ純度99%の資材向け遮熱シートで、室温を最大10℃下げる効果がある。染色・撚糸企業や倉庫業に向け建設部と連携して遮熱対策の需要を開拓する。
近藤裕幸執行役員は「高機能素材を地道に訴求し続ける」と話す。輸出拡大の一環として米国の代理店をブースに案内し、出展企業と連携して提案を進める。





