特集 北陸ヤーンフェア2026(5)/出展者の見どころ/シキボウ/日本製紙/新内外綿/モリリン

2026年11月05日 (木曜日)

〈多彩な差別化綿糸紹介/連続シルケット糸など提案/シキボウ〉

 シキボウは、グループ会社である新内外綿と共同ブースを構え、綿紡績として多彩な紡績糸のラインアップを披露する。連続シルケット加工綿糸「フィスコ」や、得意とする精紡交撚糸など多彩な差別化綿糸を紹介する。

 フィスコは事実上、唯一の国産連続シルケット加工綿糸。連続シルケット加工ならではの光沢や品質が特徴だ。最近では細幅織物などアパレルパーツを含む資材用途でも採用され、評価が高まる。

 得意の精紡交撚による強撚糸「デュアルアクションクール」、渦流精紡による強撚糸「ドラゴンツイスト」なども提案する。いずれもシルケット加工や強撚による清涼感のある肌当たりが特徴。このため猛暑対策素材としても注目されそう。旧ユニチカトレーディングの衣料繊維事業を引き継いだことから、精製セルロース繊維素材「シルフ」を活用した複合糸も紹介する。

 合繊織・編み物産地である北陸地域に対して、綿紡績としてあえて綿や再生セルロース繊維を中心とした紡績糸を提案することで、資材を含む新規用途の開拓に取り組む。

〈コンセプト異なる和紙糸/天然の機能糸として訴求/日本製紙〉

 日本製紙は銅イオンを担持させた機能性パルプ「Cu―TOP」を配合した和紙糸「Cu―TOPアオ」を提案する。北陸ヤーンフェアへの出展は前回に続いて2度目となるが、Cu―TOPアオを使用した最終製品を展示しながら、新規顧客や出展者も含め共同でモノ作りを行う共創先の開拓を目指す。

 Cu―TOPアオは繊維表面に銅イオンをナノレベルで均一に担持したパルプを配合した和紙糸。通常の和紙糸とコンセプトが異なり、抗ウイルス・抗菌・消臭など機能性を訴求する。

 5%混で機能性を発揮できるため、天然の機能繊維として打ち出しており、メディカル、介護、防災、資材などに焦点を当てる。タオルや安全靴専用靴下(助野との共創)など着実に採用は広がっている。

 先ごろ福祉メーカーのシュポーン(愛知県弥富市)などと共創で、片まひのある人の日常生活とリハビリを支えるケアグリップや靴下を新たに開発した。さらに、グループ企業の日本製紙クレシアでは防災備蓄用のハーフケットを商品化する。

 Cu―TOPは東日本大震災で被災した石巻工場(宮城県石巻市)で生産しており、震災を風化させない思いも込められている。

〈新見本帳を披露/杢糸ラインアップ刷新/新内外綿〉

 新内外綿は、親会社であるシキボウと共同ブースを構える。このほど、備蓄販売する杢(もく)糸「モクティ」シリーズのラインアップを一新したことに合わせて、新たな見本帳を披露する。

 ラインアップには、新たに未利用綿(落ちわた)使い2種類を加えた。これまでバイオーダーで販売していたキュプラ繊維混、リサイクルカシミヤ混、反毛混も人気が高まっていることから備蓄販売のラインアップに追加した。

 展示会で新しい見本帳を披露することで新ラインアップの周知に取り組む。SNSを通じたプロモーションにも力を入れており、インスタグラムの公式アカウントをフォローするかメールマガジンに登録した来場者に新見本帳を配布する。

 そのほか、パイナップルの葉脈繊維とオーガニックコットンを混紡した環境配慮型糸「パイナップルヤーン」も紹介する。合繊織・編み物産地である北陸地域の需要家にユニークな紡績糸を多彩に見せることで新規需要の掘り起こしに取り組む。

〈こだわりの複合紡績糸/備蓄生かし即応性も訴求/モリリン〉

 モリリンは異なる原料を複合し、機能を付与した差別化糸を紹介する。キュプラや「テンセル」モダールといったセルロース繊維の特徴を生かした混紡糸もそろえる。

 ポリエステルを軸に、長・短繊維複合や短繊維同士の複合紡績糸を「FUSE」(フューズ)として打ち出す。独自の構造で、イージーケア性や速乾性など複数の機能を持つ。暑い時期の長期化を見据え、販売増を狙う。Tシャツや肌着などに適する。

 担当者は「さまざまな先染め糸を備蓄し、即納できることも知ってほしい」とし、備蓄機能もアピールしたい考え。ポリエステル・レーヨン混トップ糸「トップランナー」やレーヨン100%メランジ糸「バンビーナ」などを紹介する。再生原料を使用した、吸水速乾性を持つ異形断面糸「クールマックス・エコメイド」など機能糸もそろえる。

 セルロース繊維使いで、しなやかさを持つ糸も販売を強化する。キュプラ100%の「リーナ」や、「テンセル」モダール・キュプラ混の「セルティス」など、ブラウスやパンツ向けに適した7種類の糸も訴求する。

 ブースの見せ方にもこだわる。和カフェのようなデザインにし、明治時代初期に綿糸・綿織物を販売していた当時の社名「森林右衛門商店」を掲げる。