特集 北陸ヤーンフェア2026(6)/出展者の見どころ/東レ・ライクラ/前多/三菱ガス化学/カジナイロン

2026年11月05日 (木曜日)

〈技術力、総合力打ち出す/原糸から加工糸まで紹介/東レ・ライクラ〉

 今回が初出展となる東レ・ライクラは、ポリウレタン弾性糸「ライクラファイバー」の高いブランド力を発信し、原糸から加工糸まで一貫提案可能な技術力、総合力を打ち出す。

 原糸は「ライクラT―327Cファイバー」「ライクラT―926Cファイバー」などを重点提案するほか、各種カバーリング糸も用意し、豊富な備蓄バリエーションや用途に応じたカスタマイズ対応を紹介する。

 T―327Cは、汗臭の原因物質であるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸を吸着し、臭いを抑制する。加齢臭の原因物質であるノネナールも繊維内部に吸収するなど、繊維自体が消臭機能を持つ。

 T―926Cは、伸長時と収縮時のパワー差を抑えることで伸縮時の〝残留ゆがみ〟が小さく、たるみにくいのが特徴。体の動きに追従し、姿勢を変えても着圧変化が小さい。

 同社は「スパイクバリュー・ウィズ・ライクラ」を掲げ、高付加価値素材の開発・提案に力を入れている。こうした取り組みを北陸産地でも進め、新たな技術や商品開発のきっかけとなることを期待する。

〈糸を軸にテキスタイル展開/キュプラやトリアセ糸も/前多〉

 繊維商社の前多(金沢市)は、「素材で、暮らしを豊かにする」をコンセプトに出展する。糸から開発に携わり、テキスタイルにして展開する取り組みは拡大基調にあり、今後も力を入れる考え。

 ブースでは、カーテンやユニフォーム、ファッション、スポーツなど多様な用途に対応するテキスタイルの魅力を発信する。多くの生地サンプルを用意して、用途別に分かりやすく展示する。ユニフォームやスポーツなどの製品も用意し、使用シーンが分かりやすく伝わるよう工夫する。

 糸からこだわった生地開発に力を入れており、テキスタイル展開を拡大する上で強い武器になっているという。今回展では、キュプラ繊維「ベンベルグ」やトリアセテート繊維「ソアロン」など日本独自の素材を使って開発した糸も使い、テキスタイルで紹介する。

 同社は資材やインテリア、スポーツ、ファッション、ユニフォームなど幅広い用途を手掛ける。近年はミラノウニカやインターテキスタイル上海や、台湾のTITASなど海外展への出展も積極的に進めており、糸からこだわったテキスタイルで輸出の拡大にもつなげていく考え。

〈エモクシーの耐摩耗性向上/産資などで開発進む/三菱ガス化学〉

 三菱ガス化学は独自のナイロン樹脂「エモクシー」、バイオベースナイロン「レクスター」を出展する。エモクシーは産業資材用途を中心に繊維での開発が進む中、今回展では新たに耐摩耗性を高めたタイプを紹介する。

 エモクシーは耐薬品性や低級水性などの特徴を持つ独自のナイロン樹脂で、近年は特に耐薬品性の特徴が生きる用途で開発が進んでいる。同社はチップでの販売になり、繊維は協業によりマルチフィラメントやモノフィラメント、紡績糸など各糸種を開発済み。

 新潟工場では既にエモクシーの中量産体制が整い、繊維以外では展開が進みだしている。今後はコンパウンドなどの分野で数量を作り、同社にとって新しい市場になる繊維は、付加価値の高い領域を中心に開発を進めて、エモクシーの本格販売開始につなげる。繊維は特に産業資材用途を重視する。

 北陸ヤーンフェアをユーザーとの接点の場とし、会場での声を開発に反映させている。現在は耐薬品性が生きる用途で開発が進んでいるが、今回展では産業資材などで要望が高い耐摩耗性を大きく向上させたタイプも披露する。今後は機能性とともに、バイオベース化などサステイナビリティーの視点からの開発にも視野に入れる。

 バイオベースナイロンのレクスターも出品する。レクスターも耐薬品性などの特徴を持ち、サステ面からも好評を得ている。

〈ヤーンシェフがテーマ/顧客とともに糸づくり/カジナイロン〉

 カジグループで仮撚り加工のカジナイロン(金沢市)は、前回展に引き続き、「“ヤーンシェフ”『こんな素材あったらいいな!』を一緒につくりませんか?」をテーマに出展する。ブースでは、従来の仮撚りではない特殊技術、複合仮撚りのバリエーションを紹介し、訪問客と話し込みながら潜在ニーズを具現化する提案を行う。

 前回展も同じテーマで出展し、顧客の潜在的ニーズを具現化する提案を行った。ブースへの訪問客にも好評で、複数の新規顧客との商談が始まるとともに、「既存顧客への提案が実商売に結び付いている」という。

 ブースでは、保有する技術をカテゴライズして分かりやすく伝える。今回は「クールフィーリング」「ソフトタッチ」「コンパクション」「メカニカルストレッチ」「デザインドテクスチュア」に分けて技術を紹介する。

 カジグループでは、糸から差別化したテキスタイル展開を強化しており、カジナイロンは糸開発の要となる。今後さらに糸開発を強化していく方針で、「日本市場だけでなく世界の動静を見ながら、当社にしかできない糸作りを行い、グループでの生地化につなげていく」とする。