特集 北陸ヤーンフェア2026(7)/出展者の見どころ/山越/シモムラ/ジャテック/タロダ

2026年11月05日 (木曜日)

〈独自の糸開発を強化/モドリッチなど出品/山越〉

 仮撚り加工の山越(石川県かほく市)は、独自の開発糸を紹介する。ブースでは、PBT/PETのストレッチ糸「モドリッチ」、天然繊維のような手触りや膨らみ感が特徴の特殊異収縮混繊糸「ディープリッチ」、モドリッチとディープリッチの技術を融合して開発した「ディモリッチ」などを紹介する。

 近年は独自の糸開発を強化しており、今年は中量産につながる開発品が10点近くになるという。例えばディープリッチは用途を広げながら販売を拡大しており、リネン調など海外市場で注目される商品も出ている。国内市場で先の不透明感が強まる中、開発糸を生かして海外への販売も伸ばしていく考えだ。

 サステイナビリティ品では、リサイクルポリエステル糸「リオペット」を紹介する。モリリンとの協業で展開している商品で、原料は高純度ペレット「ボトリウム」を使う。環境負荷の低い工程でペレットが作られていること点や、回収場所から特定できるトレーサビリティーなどが特徴で、リオペットの販売も着実に広がっているという。

 今期(2026年12月期)の販売は、前半の健闘もあって9月までは前年比増収で推移した。ただ、足元では自動車用途の減速が予想されるなど10~12月は不透明感が強く、独自開発糸の国内外への販売を強化する。一方、利益は原料価格の上昇が影響している。足元では原料がさらに高くなっているため、今後はコスト上昇分の販売価格への転嫁を検討していく。

〈複合撚糸を再訴求/輸入糸の扱いも広げる/シモムラ〉

 繊維商社のシモムラ(石川県小松市)は今回展で、得意とする複合撚糸を軸に撚糸品を改めて訴求するほか、新潟での生産体制を整えたカバーリング糸の訴求にも力を入れる。

 展示会では、国内生産、輸入糸ともそろえ、日本品質の撚糸を幅広く訴求する。得意とする複合撚糸を中心に、グループの機能を生かして糸だけでなく織物でも対応できる点を訴求する。

 新潟県では、昨年に帝人フロンティア(現TAフロンディア)から譲受する形で、織布会社のDGをグループに加えた。同時にむつ工場からカバーリングの設備を移管し、糸加工の体制も整えた。開発を強化している中、今回展ではカバーリング糸の品ぞろえも拡充して訴求する。

 足元では、輸入糸の取り扱いも拡充している。定番の撚糸のほか、高フルダル糸、高強力ポリエステル糸なども在庫を持って販売している。半延伸糸(POY)を輸入して、ピン仮撚りなどシモムラグループで糸加工して販売する形も増えており、品質の高い海外糸として訴求する。海外糸では新たにファンシー糸も扱う考えで、インテリアなどの用途に提案していく。

 先染め糸の見本帳も充実させた。再生ポリエステル先染め糸の「ECO VO」は、リニューアルして新シリーズを打ち出す。これまで150D糸を多色展開していたが、トレンドが薄くて軽い方向に流れる中で、100D糸のシリーズも新たに始めた。

〈機能繊維を幅広く/イ草など紡績糸も拡充/ジャテック〉

 繊維商社のジャテック(金沢市)は、「遮熱、抗菌、防臭などの快適機能繊維、環境配慮型繊維」をテーマに、幅広く特殊糸を紹介する。

 天然繊維使いでは、イ草を使った綿との混紡糸を紹介する。畳の原料として九州で栽培されたイ草を使い、紡績と協業して開発した。原料投入段階でイ草30%・綿70%の糸を試作。ブースでは20、30番手の糸やニット生地サンプルを用意して紹介し、用途を探る考え。

 合繊では、ナノ亜鉛練り込みのポリエステル短繊維「PERMA」を紹介する。タイのBCL2000が生産する商品で、抗菌、防臭、UVカットなどが特徴。タイでは既にマスクや病院着、シーツ、インナー、タオルなどで製品展開されているという。ブースではポリエステル100%や綿との混紡糸などをそろえて紹介する。

 改めてモノフィラメントの訴求を強める考えで、今回展では超極細のナイロン直紡モノフィラメントも紹介する。7デニール糸は、織物やトリコット、丸編みで開発が進んでおり、スポーツやアウトドアなどの用途に提案する。

 このほか、機能性やサステイナビリティーを視点に、漢方の原料から抽出した機能分子を練り込んで、消臭やUVカット、遠赤外線放出などの機能を持つポリエステル「BIONOL+」、コラーゲン練り込みレーヨン「FILAGEN」、生分解性合成繊維「CiCLO」などを紹介する。

 前回展でも紹介した熱可塑性ポリエステルエラストマー「PBスパン」は糸と生地を出品する予定。易リサイクルの視点から、ポリウレタンに代わる弾性糸として注目されているという。

 隣にブースを構える山越との協業も紹介する。山越の複合特殊仮撚り糸を使って開発したテキスタイルを展示する。

〈PPの捲縮糸を紹介/軽量性や保温性に優れる/タロダ〉

 糸商のタロダ(石川県内灘町)は主力のポリエステル先染め糸に加え、特殊糸の展開を強化している。今回展では、ポリプロピレン(PP)ウーリー糸を提案するほか、グリップ性などに優れる割繊糸の見本帳なども紹介する。

 同社はかほく産地の細幅織物向けを主力とし、横編みや経編みなどニット向けやジャカード織物向けなどにも展開する。先染め糸の見本帳展開は、リサイクルポリエステルなどサステイナブル糸のシリーズを幅広く展開しているが、近年の北陸ヤーンフェアではグリップ性など機能性の面から人気が高まる割繊糸や天然繊維調のタスラン糸など特徴を持った糸の紹介に力を入れてきた。

 今回展では、昨年から展開を始めたPPのウーリー糸の提案に力を入れる。PPの高捲縮(けんしゅく)糸で、素材が持つ軽量性や保温性などの特徴に加え、膨らみ感などを持たせた。原着による色糸で展開。取り扱い方を理解してもらったところを中心に採用が進み、靴下などの用途で広がっている。