帝人 構造改革に成果

2026年11月06日 (金曜日)

 帝人は2027年3月期連結業績(IFRS)で売上収益9200億円(前期比5・4%増)、事業利益400億円(55・2%増)、営業利益750億円(前期は707億円の損失)、純利益500億円(同880億円の損失)を見込む。前回予想から売上収益を200億円、事業利益を100億円、純利益を50億円それぞれ上方修正した。

 内川哲茂社長は「基礎収益力の回復と構造改革に一定の成果が出た。これを基盤に中期経営計画で掲げる〝顧客起点型ビジネスモデルへの転換〟を進める」と話す。

 セグメント別では、衣料繊維や産業資材用繊維を中心としたアパレル&インダストリーズで売上収益4200億円(20・0%増)、事業利益200億円(17・0%増)を見込む。

 10月に中核事業会社である帝人フロンティアが旭化成アドバンスと統合し、TAフロンティアが発足した。内川社長は「商材情報の共有や共同提案が具体的に始まった。旧旭化成アドバンスが得意としたナイロン繊維やキュプラ繊維『ベンベルグ』を旧帝人フロンティアの販売チャネルに乗せることができる」と指摘。加えて両社と取引関係にあった販売先にワンストップで提案・供給できるようになるなどシナジーへの手応えを示す。

 一方、アラミド繊維や炭素繊維を中心としたスペシャリティマテリアルズで売上収益1900億円(同横ばい)、事業利益40億円(同90億円の損失)を見込む。アラミド繊維は25年度に実施した工場の大型定期修繕の影響が解消され、操業度が改善する。

 炭素繊維は航空機用途の増加で販売構成改善が見込める。構造改革に成果が出ていることを受け、内川社長は「アラミド繊維、炭素繊維ともに価値の源が川上から川下に移りつつある」と説明。今後は防衛、エアロスペース、クリティカルインフラといった領域で川下のニーズに応えるソリューションを企画・開発・供給するビジネスモデルを構想していることを示唆した。

構造改革効果で大幅増益

 帝人の2026年4~9月期連結決算(IFRS)は、複合成形材料の北米事業譲渡などの影響で売上収益4395億円(前年同期比2・5%減)の減収ながら、構造改革効果などで事業利益308億円(136・4%増)、営業利益707億円(前年同期は540億円の損失)、税引前利益696億円(同557億円の損失)、純利益525億円(同548億円の損失)と大幅増益となり、黒字浮上した。

 アパレル&インダストリーズセグメントは売上収益1852億円(8・7%増)、事業利益96億6800万円(7・8%増)だった。衣料繊維は北米や中国向けテキスタイル・衣料品の販売が拡大した。産業資材は人工皮革やフィルター向けポリエステル短繊維、生活雑貨が好調だった。

 スペシャリティマテリアルズセグメントは構造改革を進めたことで売上収益920億円(26・4%減)と減収ながら、事業利益57億6100万円(前年同期は62億2300万円の損失)と黒字浮上。アラミド繊維は25年度に実施した工場の大型定期修繕の影響が解消し、稼働率が改善した。炭素繊維は航空機用途の拡大で販売構成が改善した。