資料を読む/政府調査/ダンピング損害の事実

2002年07月30日 (火曜日)

国産シェア1・3ポイント縮小、韓国台湾産1・9ポイント拡大

 経済産業省と財務省はこのほど、帝人など5社が発動申請していた韓国・台湾産ポリエステル短繊維のアンチダンピング措置について、産業保護のため課税が必要との結論に達したとの発表を行った。

 結論に至る主な論理過程は(1)「ダンピングの事実」(2)「国内産業に与える実質的な損害」(3)「(1)と(2)との因果関係」――の3点に集約できる。

「輸出国における国内向け販売価格」と「日本向けの輸出価格」との差異であるダンピングマージンは通常の貿易関係においても、頻出すると言える。国内価格と輸出国内価格との差異はマーケットの成熟度の差によって価格付けがされる以上、差異は発生するのが普通だ。問題となるのは「損害」でありかつ、「因果関係」である。

この2点について両省は事実と認めた。ここでは各表で「損害の事実」(調査対象期間は98年4月~01年3月までの3年間)を見る。なお表(1)~(3)は、両省で構成する調査担当団が関係者236社からの調査回答によりまとめたもの。

表(1)と(2)は両国のダンピング輸入量とシェアがともに拡大したことを示している。輸入量で38・8%、シェアで1・9ポイントそれぞれ拡大した。一方で国産品のシェアは1・3ポイント縮小した。

価格はどうか。表(3)ではダンピング輸入との競争で国産品価格も下落したことを示している。国産品の価格は12・7%下落した。

調査報告ではこのほか「損害の事実」として、国内生産者の調査対象貨物売上高が減少し、営業・経常損益が赤字に転じたことなどを指摘。さらに「因果関係」として国産品と輸入品は代替可能であり、韓国・台湾以外からの輸入は対象期間を通じて減少していることなどから、損害の原因はダンピングの事実にあるとの結論に至ったものだ。