コロネット商会が再生法/伊藤忠、支援を表明

2002年10月29日 (火曜日)

負債150億円

 信用交換所によると、婦人服・洋品卸のコロネット商会(大阪市中央区、花崎澄朗社長)は25日、大阪地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は堀井昌宏弁護士(06・6365・0384)ほか3人。負債は金融債務主体に推定150億円。同社は主力取引先である伊藤忠商事に経営支援を要請。伊藤忠は28日、債権者という立場に加え、同社の取引先や社員の混乱を避けるため、同社のリストラを進めながら再建を支援すると、表明した。

 「ミラ・ショーン」をはじめとしたブランド取引で同社と緊密な関係にある伊藤忠は、経営支援要請を受け応じたことについて(1)資産の散逸防止(2)従業員の雇用確保(3)下請先との取引継続――などのため製品納入を継続することを明らかにした。

 コロネット商会はインポート・ライセンスブランドを展開する業界大手として知名度が高く、「ミラ・ショーン」「クロエ」「ダナロッサ」などを扱い専門店を中心に百貨店などで取引地盤を築いていた。ピーク時の90年6月期には年商265億円を計上、高収益を確保していた。

 バブル崩壊以降は高級品ゾーンの消費不振から減収基調に陥り、99、00年に在庫評価損や不良債権処分で5億円近くの赤字を計上した。01年は黒字転換を果たしたものの、取り扱いブランドの日本法人設立などの逆風で、02年6月期には再度赤字となった。過去の借入負担、在庫負担も重く資金繰りに行き詰まっていた。