営業利益800億円目指す/重点戦略の産業繊維/帝人・新中計発表
2003年02月05日 (水曜日)
帝人は4日、“集中と選択”による事業ポートフォリオの再構築や計画する投資規模、持ち株会社制移行によるグループ経営の強化などを盛り込んだ3カ年の新中期経営計画「WING 2003」を発表した。産業繊維や医薬医療を重点戦略分野と位置付けて積極的に投資し、最終年度の05年度に連結の売上高1兆700億円(今年度見通し8900億円)、営業利益800億円(同320億円)、純利益250億円(同180億円の赤字)、ROA(営業利益ベース)7・6%(同3・0%)の達成を目指す。
成長性と収益性を考慮して経営資源を配分するため、事業を大きく「重点戦略」「安定収益」「選別投資」「再構築」に分けた。「重点戦略」は産業繊維と樹脂、医薬医療、IT・新事業。これらの事業を中心に3年間で設備投資1750億円、研究開発投資1300億円を注ぎ込む。人員も約350人増員。営業利益を500億円拡大する。
「安定収益」には、衣料繊維、フィルム、流通・リテイルを位置付けた。衣料繊維はシェア重視から収益重視へ転換。流通リテイルは川中から川下での総合的な展開を図る。営業利益は130億円上積みする計画。
事業別の目標で、繊維は連結の売上高5700億円(今年度見通し4800億円)、営業利益270億円(同75億円)、ROA(同)5・5%(同1・6%)を掲げた。
持ち株会社制への移行に際し、傘下企業への権限委譲を一層進める。傘下企業トップが決定権を持つ設備投資・事業投資の投資額の基準を引き上げる。