周辺ビジネスも拡大基調/検査、物流、中国出先企業

2003年03月28日 (金曜日)

 アジアとのビジネスを支援する業界には、様々なものがある。不良品を水際で止める試験や検査、生産の指導を行うのが検査機関だ。そうした商品を日本に運ぶのが物流企業。日本に持ち込んでから検品したり、値札を付けるのでは物流費がかさむ。現地でアソートする形が増えてきた。日本に進出している中国企業もビジネスパートナーだ。今後は中国市場の窓口となる可能性が大きい。

検査機関/不良品を水際で止める/中国中心に拠点が増加

 ボーケン(日本紡績検査協会)は昨年末、中国に「青島試験センター」を開設した。青島検験検疫技術服務中心との業務提携によるもの。中国では上海試験センター、常州試験センターに続く第3番目の拠点である。

 日本向け事前検査、一般検査、縫製品ロット検査などを行う。中国の生産基地が徐々に北上していることに合わせた対応だ。

 ボーケンはこのほかにもSGS香港、韓国原絲織物試験研究院、台湾の中国紡織工業研究中心とも業務提携。アジアにおける試験検査ネットワークを構築することで、日本の繊維産業のグローバル化を支援する。

 カケン(日本化学繊維検査協会)は、海外7地域に試験・検査室を設ける。カケン大連試験室は、大連にある遼寧出入境検験検疫局内にあり、青島、上海、香港に次ぎ、中国で第4番目の試験施設だ。設備は、青島試験室と同様、日本向けに必要なほとんどの項目の試験が可能だ。

 また、上海科懇服装検験修整有限公司を移転拡張。こうしたハード面だけでなく、技術の向上や人材育成といったソフト面にも注力。上海を中心にして情報交換を含めた海外会議も開く。

 メンケン(綿スフ織物検査協会)は、上海検査・試験センターを開設。安徽三朕集団との提携により、上海申●奈辛格(しんけいなっしんぐ)服装有限公司内で業務を開始した。糸から織物、二次製品までの検品、検反、試験を行う。

 試験業務は現地ニーズに合わせて、「迅速な対応で顧客満足」を満たすことをモットーとする。現地では補修機能を付加することが必要とし、将来的には取り組む考えだ。

 ニッセンケン(日本染色検査協会)は、南通に「南通天山紡織品検整有限公司」を設立。現地の南通進出口商品検験公司、南通東帝色織有限公司との合弁というのが他と異なる。糸、テキスタイル、二次製品の検品、検査、試験を行うほか、繊維製品の安全性を審査する「エコテックス」の認証も行う。

 QTEC(日本繊維製品技術センター)は、韓国で日韓品質評価センターを展開。中国では、上海市で上海検験公司と業務提携し、IC―QTEC品質評価中心を設ける。また青島にもIC―QTEC青島品質評価中心を設立。青島検験公司との提携によるものだ。中国ではさらに新しい試験センターを設置する案件もあるという。

 日中、日本とアセアンとの貿易において、検査機関の役割は大きい。不良品を水際で防ぐだけでなく、成熟した日本市場に見合うモノ作りの指導という役割も担う。

総合物流業/アイ・ロジスティクス/センター業務を中国に

 総合物流業のアイ・ロジスティクスは、国際ロジスティクスのリーディングカンパニーを目指す。普通倉庫の商品別保管実績(01年度)で、繊維は全体の26%。海上部門商品別輸送実績で繊維は21%、航空部門の繊維輸送実績は27%を占める。陸・海・空をつなげて国内と海外の物流を支える。

 同社は中国にも拠点を設置。広州、香港、上海などに法人を設けたほか、北京、大連、天津、青島、蘇州などに8つの事務所を置く。また、伊藤忠商事グループのため、関係会社には北京太平洋物流有限公司、広州忠達物流有限公司がある。

 開発部の飛田恵一中国担当部長は、「商社系物流会社であり、商品がわかることが強み。現地でほしい商品の情報提供ができる」と語る。「中国の沿海部の拠点はほぼできた。今後は内陸部での拠点作りを進める」とし、拡大する中国ビジネスに対応したサービス体制を構築する。モンゴルや中央アジア向け輸送でも実績を残す。

 ユーザーは日系企業が多い。「アソート、値札付け、検品といった技術を要する業務もこなす。輸送という業務だけでは採算が難しい。例えば、運転手には携帯電話を持たせる。サービスの一環だが、コスト高にもなる」。日本スペックに合わせ、安全確実な輸送を実現していくためには、そうした部分が不可欠という。

 繊維以外でも、中国は激戦状態だ。「テレビや家電商品も過剰感がある。プラズマテレビが売れ、普通のテレビは飽和状態。中国企業といえども苦戦しており、東南アジアへと進出。このため、そこでも日系企業が苦戦するという構図」である。

 また、「中国ビジネスも最近はドライになってきた。新規参入しやすくなったが、すぐ切られることも。それでも、日本にとって、中国との取り引きは増えていかざるを得ない。我々もセンター機能を中国に移していく。検品やアソートを中国で行い、直送する形が増えた」。物流業界でも、中国は無視できない存在だ。

在日中国企業/中国シルク/ブランドビジネス模索

 中国シルク東京営業所は92年に開設された。88年に北京の中国絲綢進出口総公司が大阪・谷町に設立した中国シルクの東京営業所である。当初はシルクの原料・製品販売を目的としたが、現在は大手通販業者への製品供給と、商社を通じたアパレルへの製品供給がメインである。

 何品東京営業所長は、「大手通販とのビジネスは93年から。年々拡大し、ミセス向けの婦人服やコートなどを供給。合繊、ウール、綿とシルク以外の素材も多い」という。10年継続する取り引きは、「中国の協力工場が優秀だから。価格だけでなく、品質、納期ともにユーザーの期待に応えている」ことによるものだ。

 最近では商社経由のアパレルOEMも増えた。「ある商社とは年間1万~2万枚のビジネスだったが、今年は10万枚くらいに拡大する。扱うブランドが増えたため」と、好調だ。

 そうした優秀な工場のひとつが、浙江平湖市の「蒙士特服装有限公司。85年の設立だが、中国シルクの紹介から業績を拡大、日本の大手アパレルのブランドを手掛ける。「現在、日本のメーカー16社の仕事を受ける。日本向けがほぼ100%で、日本語の仕様書でも対応。高度な縫製技術だけでなく、年間1300型をこなし、小ロット・短納期にも対応できる」。

 中国の縫製工場とはいえ、副資材は中国に進出した日本の副資材メーカーから現地調達。日本と変わらない生産体制を進めてきた。

 「中国沿海部の大都市の市場は大きい。これまで中国の工場は委託加工が中心で、ブランド力がなかった。これからは日本のアパレルのブランド力を借りて、中国でのブランドライセンスビジネスを始めたい。日本のブランドと提携して、中国で販売するビジネスだ」。委託加工から新たな段階に入ろうとしている。