秋冬に向けて高付加価値カーペット~カーペット特集~

2003年04月09日 (水曜日)

 昨年に引き続いて環境商品がさまざまな分野で言われているが、カーペット業界でも同様に素材、その素材を包み込む付属繊維など細かな対応に入ってきた。そこで「秋冬企画」を探ると称して多様化するニーズに各社はどう対応していくのかを商品を通じて紹介し、モノ作りにその実践をみてみる。さらに子供のアトピー性皮膚炎が激増している中で、抗菌や超抗菌加工も登場してきている。こうした加工はもはや標準装備となってきた。

アスワン/セイフティ&クリーンカーペットで快適提案

 アスワンは“セイフティ&クリーンカーペット”の快適宣言を掲げている。具体的には防ダニ加工に抗菌防臭加工をプラスした清潔感に全商品防炎、ホルムアルデヒド対策認定の安全性。またバリエーション豊富なハイグレード加工などの適材性を特色にしている。

 商品ゾーンでは“水のきれいな国のカーペット”として染料を使わない環境を考えた有色毛で柄出ししたカーペットやハーブシリーズではその名の通り、ハーブ・ダイで癒し効果を色で出した。

 さらに“素材生活”ではフェイクファーを主力にポリエステルなど、さまざまな種類の素材を使って毛足の長いタイプのカーペットを提案していく。毛皮に似せた物を化学繊維の妙で国内生産していく。

 同社は一方でウール素材を見直し中でウールカーペットキャンペーンなども今月末まで実施している。

東リ/接着剤不要の床剤を新発売

 東リは改装工事に最適な接着剤不要の床材を「ぺったんこ」の名称で発売、公表を博している。タイル裏面に特殊吸着フォームを貼付するだけでリニューアル工事中に発生する騒音や粉塵、臭気などを防ぐという優れものだ。

 同製品は昨年、大阪、東京、名古屋で開いた同社展示会に参考出品した際に評価が高かったもので、販売先も展示会開催3地区に限定し同社の商業施設部が窓口になる。参考上代は平方メートルあたり7200円で、製品の規格は3・5ミリ厚×450ミリ角(ビニル床タイル3ミリ厚+特殊吸着フォーム0・5ミリ)。

色は5タイプあり、工法は置き敷き吸着(接着剤不要)。既設ビニル床タイルほか人造大理石、鏡面仕上げの石材など表面が平滑で堅牢な下地に適応する。

根来産業/ナノテク採用の再生ポリをカーペットに

 根来産業はナノ・テクノロジーを採り入れた再生ポリエステル素材のカーペットを「シルキー・フォックス」の商品名で秋冬物から売り出す。

 山形大学工学部教授の井上隆氏との産学共同企画開発商品で、ナノテクによりアクリル以上のソフトな獣毛タイプの素材を再生ポリエステルで開発した。商品は昨年一部、生産販売したが、本格的な発売は今シーズンからとなる。

 商品特徴はアクリルと比較しても遜色のないソフト感とボリューム、それに滑らかさとしなやかさを持ち型崩れしない。5色あり価格は2畳サイズで7800円。

 同社は“地球へ恩がえし”の名称でペットボトル再生繊維のラベルをブランドとして春から継続して商品を発売中だ。「限りある資源を、人と環境にやさしいカーペットで還元」する。こうした取り組みは、日本インテリアとの“えこ・かーぺっと”でも行っており、床にやさしい裏面不織布貼りや、防汚繊維をつかてインテリア分野での啓蒙も進めている。

三菱レイヨン/「ハイタッチ」が順調に推移中

 三菱レイヨンは、ラグやキッチンマットなどのホームユース向けカーペットなどの差別化糸「ハイタッチ」を発売し、前期は予定通り初年度目標だった約100トンをクリアした。今期は倍の生産量を計画している。

 同社のパイレン部が担当し、アクリル糸の代替糸として需要拡大中だ。マットメーカーや通信販売ルートが主販路になる模様だ。当初の目標は初年度100トン、2004年には300トンの販売量を目指している。

 商品自体は肌触りにチクチク感がなくソフトなタッチが特徴。独特の光沢感やループカーペットの「ツブ感」も特色である。

同社はこの糸の〝マザーヤーン〟展開で小口対応のQR、10色の多色展開で高品質であることなどをアピールしている。

泉州敷物/簡単にできるリフォーム用に開発

 泉州敷物はオレフィン系樹脂使用のエステルタフト生機タイルカーペットを、一般ホームユース向けにコントラクトルートで秋冬物から発売する。マンションなど賃貸住宅のリフォーム需要を狙ったもので、管理人自身が補修や敷き詰めのできる手軽さとローコストオペレーションを実現した。

 防音性のほか、保温、軽量感などの多機能が特徴。色はベージュやグレーなどのベーシックが中心になる。 

同社はオレフィン系樹脂使いのタイルカーペットでは「ファミリエ」ブランドを発売。ホームセンターや量販店向け。年間生産量も50~60万枚と新製品に比べて少ないが新製品は年間150万~160万枚の販売数量を見込んでいる。生産はいずれも岸和田工場による。

東洋紡フェアトーン/中国でラグにもなるホットカバー生産

 東洋紡フェアトーンはメランシカ(東洋紡)ファイバーを使ったホットカバーを秋冬物から中国生産する。ラグにもなる商品で、家電メーカーの中国生産シフトに伴うもの。秋冬シーズンだけで約1万2000点の生産を計画している。

 メランシカはフェイクファーなど、服飾分野の商品で知られる。同社によると「2年前に敷物で販売したところ予想外に売れた」実績がある。2畳サイズの敷物で通常5800~9800円のところメランシカ使いのカーペットは1万9800~2万4800円と高いにもかかわらず順調な売れ行きだ。

オーノ/超抗菌ピースラグを秋冬物から発売

 オーノは、超抗菌加工を施したピースラグを秋から発売する。先に同社から発売のカラーセラピーの流れを汲む新製品で、319種類のバクテリアなどに効果があるとされる。公的機関から安全性について認可を受けている。

 このピースラグの特徴は、超抗菌加工のほかに防カビ、防藻剤機能を併せ持つ。使用する糸はすべてオリジナルで同社が開発した。

 商品名は“やすらぎ”シリーズとしての打ち出しとなる。秋冬物はループカット、カット&ループなど数アイテムで展開することにしている。色は商品名の通り、「やすらぎ」感のあるトーンをそろえている。

 同社は有力企業との取り組みで一般のホームユース向け以外で超抗菌加工製品を製造している。今回はこの取り組みを一般家庭向けるもの。

ヨシミツ毛織/大き目パネルラグを発売、価格のバリエーションも

 ヨシミツ毛織がループとカットの両タイプのパネルラグを発売する。商品は防音性のほかに軽くて持ち運びが容易。また並べ方が自由自在で収納に便利なのが特徴だ。1枚からでも使用可能で、掃除が簡単、滑り止め加工も施されている。

 現在、82センチ×82センチ/1枚で取り組んでいるが、今後はいろいろな用途に合ったサイズを検討中である。

 現在、特許を申請しており日本国内と中国国内の両特許出願済み。伊藤忠商事とヨシミツ毛織の共同出願で、その内容は次の通り。

 芯部材の上に敷物部材(タフトカーペット、ボア、マイヤー、フリース、モケット、ハイパイル、キルティング、ジャガード、タオルその他パイルを有する物)が貼着された状態で、自重が加わっても折れ曲がらない剛性を有する、すべてのカーペット。合計請求項目は10項目で、説明文40項目。まがい品などに関しては伊藤忠商事がおさえていく姿勢で臨む。

 現在、大型家具店やホームセンターをはじめ徐々に浸透しつつあるとしている。今後も市場を見ながらいろいろなタイプを企画していく計画だ。同社の吉田健二・取締役営業部長は「今年は昨年に引き続き新タイプを得意先と計画中。7月ごろから展開」するという。売価は2980円であるが、今後はその上や下のランクも企画していく方針である。

セルコン/リサイクル塩ビ系床材の「e―RECYCLED」

 セルコンは使用済み塩ビ系床材の循環型リサイクルシステムの開発に取り組んできたが先ごろ同システムが完成したことに伴いリサイクル塩ビ系床材「e―RECYCLED」シリーズを発売する。

 同シリーズは従来の工場内廃材リサイクルや自社製品だけの再利用とは違い、回収工事の際の既設床材はいずれのメーカー品にかかわらず再利用することができる。廃材はいったん全部持ち帰り、工場で再生可能品を分別後にタイルカーペットとホモジニアスタイルに再利用していくという日本初の本格的床材リサイクルシステムとなる。

 製品化するのは廃床材を51%以上使ったセルコンタイルカーペット「ハイテクポイント」のほかに、同30%以上使用のPVCタイル「エグザストーン・エグザウッド」などがある。PVCの再生利用品は製造時のエネルギー消費量削減と環境負荷低減(C〇2の削減)が可能で、同シリーズの“エコ”タイプとして売り出す。