東レとクラレ アクリル/PVA共同開発

1999年05月13日 (木曜日)

 東レは十二日、クラレのPVA繊維「クラロンK―Ⅱ」を使い軽量、ソフト感に優れたアクリル新素材「トレエアー」を99/00秋冬向けからニットウエア用に販売すると発表した。一年半前から両社で共同開発してきたもの。「クラロン」は衣料用途でウールや綿と混用するため紡績に供給されているが、合繊メーカーとの取り組みは初めて。

 「トレエアー」はアクリルマイクロファイバーの「シルウォーム」(〇・九d)六〇%、ウールと「クラロン」各二〇%を特殊紡績技術で糸にして販売される。糸種は40単、36双の二種類で、ユーザー入り価格は一キロ千三百円。

 染色段階で「クラロン」が溶出するため、糸内に繊維間の空間が生まれ、軽量感と保温性、嵩高性と適度なハリ・コシを実現した。抗ピル性にも優れている。製品上がりの混率はアクリル七五%・ウール二五%、従来品に比べ約二割軽い。

 ヤング・キャリア向けSPA(製造小売り)にニットウエア用素材として販売するほか、タイツなどへも用途展開。初年度百トン、二年目三百トンの販売を見込んでいる。

 東レの水谷良明トレロン・ナイロン短繊維事業部長の話 ニット製品は商品開発や新市場開拓が課題になっている。「トレエアー」は合繊メーカー同士が素材複合で協力して実現したもので、鋭い感性を持つヤング・キャリア層にも受け入れられると期待している。

 クラレの北川潔K―Ⅱ推進事業部販売部長の話 「クラロン」は工程助剤としてウールや綿と使われてきたが、今回初めて合繊メーカーに供給することになった。ニット用という点でも初めて。ポリエステルとの組み合わせではクラレチョップでも展開するが、他メーカーにも供給していく。年産能力七千トンのうち千トン程度は衣料用にしたい。