「蝶理再建は東レ主導で」/東レ・前田会長が表明
2003年05月23日 (金曜日)
東レの前田勝之助会長は22日、蝶理について「東レ主導の経営再建になる」と語るとともに、「新生経営計画発表後、関連法規など環境も変わっている。既定の枠組みにこだわらず再建に役立つものがあれば柔軟に対応する」と述べた。旭化成に代わって筆頭株主になる可能性も示唆した。
前田会長は旭化成の山口信夫会長から、再建計画策定に東レが主導権を持ち、新社長も派遣するように求められたことを明らかにした。理由は両社の繊維事業に対する姿勢の違いだという。金融機関もこれを支持した。東レは「自社の損得もないではないが、万が一の事態になり繊維業界が混乱することを防ぐ」立場から応じた。
蝶理に対する持ち株比率は現在、旭化成28%強、東レ22%強だが、8月までに実施する両社合わせて25億円の優先株引受などにより持ち株比率が逆転する可能性について前田会長は「起こりうる」とし、旭化成から保有株式譲渡の申し入れがあった場合は「金額による」という。
蝶理再建に商事子会社、東レインターナショナルが絡んでくるのではとの問いには「最適の人物として次期社長に指名した田中健一氏がたまたま東レインター会長だっただけ。現時点ではまったく関係ない」と否定した。