原料~製品まで一貫で供給/伊藤忠・綿製品課 調達はすべて自前で

2003年06月27日 (金曜日)

 伊藤忠商事繊維原料事業部綿製品課(佐藤一則課長)は、差別化素材の調達から織り編み・加工、製品化まで一貫してつなぐ製品事業を進めている。

 差別化素材では、米国産オーガニックコットンを大正紡績に販売、糸を和歌山産地などで生地にし同コットンの良さを理解して積極的に使う婦人カジュアルアパレルやニットアパレル、大手タオル卸などに製品で供給している。輸入する同コットンは米国に数ある認証団体の中で、TDA(テキサス州農務省)、OCIA(Organic Crop Improvement Association)、CCOF(California Certified Organic Farmers)などの4団体で認められたもの。12年前から取り扱いを始め、現在年間約100トンを輸入する。

 獣毛混、植物繊維混の高級意匠綿混紡糸も取り扱う。種類はカシミヤやアンゴラのほか、カポック繊維、ヘンプ、ケナフ、竹繊維、合繊特殊糸など。原料の調達には同事業部主管の子会社、イトチューウールリミテッドの協力を得るなど社内連携もしている。

 こうした原料はすべて糸、生地の各段階を同課がつなぎ最終的に製品で販売する。差別化原料を自前で調達し製品までつなぐ形を徹底しているため、売上高のうち、糸・わたが50%、製品が50%を構成する。

 現在は中国江蘇省常熟市の現地企業から大豆繊維のわた、糸を輸入し、商品化に向けて開発中。