合繊大手9月中間決算/ポリエステルまだ悩みの種

2003年11月14日 (金曜日)

 合繊大手8社の9月中間決算がカネボウを除き出そろった。連結業績は7社すべてが実質的に増収増益を達成、各社とも収益改善に手応えを示す。繊維業績も大半が増益を果たした。しかし、ポリエステルだけは半分以上の企業がまだ営業赤字と水面下のまま。ポリエステル長、短繊維でも大幅増益となった東レは例外として、繊維営業利益が拡大する中、ポリエステルだけが水面下という構図は、ポリエステルが日本の合繊大手の主役ではなくなったことをより鮮明にしている。

繊維業績は営業増益だが…

 合繊大手で真っ先に9月中間決算を発表した帝人の繊維連結(旧基準比較)は売上高3%増、営業利益19%増の増収増益。しかし、ポリエステルを担う帝人ファイバーは5億円の営業赤字、東南アジア子会社3社はインドネシア子会社の赤字をタイ2社の黒字でカバーできず、1億円の営業赤字。つまり、繊維営業利益の大半はアラミド繊維事業で稼いでいる。

 繊維連結売上高が2%増、営業利益は倍増という好業績を挙げた三菱レイヨン。しかし、同社もポリエステル長繊維「ソルーナ」は営業赤字で、収益増の多くはアクリル繊維でたたき出した。

 クラレもビニロン、人工皮革「クラリーノ」の増益で、繊維連結営業利益は12%増となった。ポリエステル短繊維の大幅な生産設備縮小などリストラ効果で、ポリエステル事業の赤字幅は縮小したというものの、水面下であることに変わりはない。

 旭化成は会計処理の変更から繊維業績は大幅な営業減益となったが、旧基準で比較すれば、実質営業利益は67・3%増の13億円となっている。ポリエステル長繊維は改善しているものの、まだ営業赤字。利益はスパンデックス「ロイカ」、スパンボンド不織布で稼ぎ出した。

 東洋紡は繊維連結営業利益が前年比2・8倍増を達成し、目標であった単体繊維での経常黒字化を果した。しかし、衣料用ポリエステル長繊維は依然として経常利益で水面下を強いられた。

 ユニチカの繊維連結営業利益は前年比4倍増を達成、合繊子会社のユニチカファイバーも前上期の営業赤字から黒字に転換し、ポリエステル繊維で黒字を確保した数少ない一社となった。

 このように、ポリエステル繊維では依然、営業赤字を強いられる企業が多い中、別格ともいえるのが東レ。9月中間期の繊維連結業績は2・1%増収、営業利益は2・4倍増。単体繊維も35億円の営業黒字を計上、前中間期の赤字から54億円という大幅な収益改善を果たした。全素材が増益を達成しており、ナイロン長・短繊維、ポリエステル短繊維、アクリル短繊維も黒字化した。離れ業ではないが、単体繊維が前年、営業赤字だったとは思えないほど、急速な収益改善を果している。主要子会社も中国のポリエステル長繊維製造、織布加工子会社など一部を除けば大半が黒字を確保、国内、海外子会社のくくりでも繊維は増益となっている。

 こうしてみると、ポリエステル繊維は東レを除く大半の合繊大手にとって、まだ悩みの種。その面で今中間期は合繊大手が経営資源を集中する事業は何かが、改めて浮き彫りになった。