カーテンは合繊ワールド(上)ポリエステル長繊維が圧倒

2003年11月26日 (水曜日)

アクリル紡績糸 生きる道は?

 きょう26日、開幕した日本最大のインテリア国際見本市「第22回ジャパンテックス」。インテリアトレンドショーと題する同展には様々なインテリア製品が出品されるが、その多くには合繊が使われている。例えばカーテンの素材にはポリエステル、アクリルが、カーペットにはナイロン、アクリル、ポリプロピレンがパイル糸というように、インテリア製品にとって合繊は必要不可欠な存在である。では、「選択と集中」を急速に進める合繊メーカーにとって、インテリア、とくにポリエステル長繊維比率が高いカーテンはどう位置づけられているのか。合繊メーカーの立場からカーテン市場をみると――。

     ◇

 カーテン素材では今、ポリエステル長繊維が圧倒的なシェアを持つ。80年代はレーヨン、アクリル、ポリエステルが3分の1ずつを占めていたカーテン素材も現在では「7割をポリエステルが占めているのではないか」(帝人ファイバー)、「短繊維を含め6割、ポリエステル長繊維はそのうち8割」(東洋紡)と言われる。ポリエステル長繊維の急成長はカーテンにおけるプリント品の増加がある。先染め品とのコスト差も大きく一挙に市場を席けんした。

 その影響を最も受けたのがアクリル紡績糸だ。最大手の三菱レイヨンによると、アクリル紡績糸のカーテン向け販売量はピークに比べ4分の1の年間4000トンに縮小、同社も同様の経過をたどっており「ポリエステル化、製品輸入の増加に伴う低価格化、リサイクルという側面からも苦戦が続く」と見通す。

 モダクリル「カネカロン」を擁する鐘淵化学工業も国内販売量は5分の1近くまで縮んだという。難燃性を特徴とする「カネカロン」の主力は病院、学校など公共施設などコントラクト用の防炎カーテン。しかし、ここでは高いデザイン性は要求されず、無地も多いことからポリエステルの後加工難燃タイプと競合、ほとんど取って代わられた。さらに、グリーン調達の動きからポリエステルへのシフトがさらに進む可能性を懸念する。

 「総合見本帳でもコスト重視から先染めドビー、ジャカード品は減った。とくにホテル向けの防炎カーテンはポリエステル後加工品にシフトしている」。カネカロンを採用するケースも100%使いは少なく、大半がポリエステル加工糸を経糸に使用しており、「当社にとって国内のカーテン用途をどう位置づけるのか岐路にある」とも言う。

 こうした中、同社は意匠糸の生産販売を委託する糸商のフォーリン(愛知県一宮市)と共同で糸開発を進め「ポリエステルとの違いは歴然とあるし、その良さを追求していく」考え。

 三菱レイヨンも「差別化を追求するしかない」として、原綿ではダルタイプなども加えていくが、難燃タイプを持たない同社だけに舵取りは難しい。

 ただ、苦戦しているのはアクリル紡績糸だけではない。ポリエステル長繊維も国産糸の展開は厳しさを増している。

 東レによると、カーテンの国内生産量は97年2億平方メートルだったが、02年は1億5000万平方メートルにまで縮小した。これに加えて、韓台などからの輸入糸との競合を余儀なくされているからだ。