カーテンは合繊ワールド(中)グリーン調達に活路?
2003年11月27日 (木曜日)
ポリエス長繊維も国産縮小
カーテン素材として、圧倒的なシエアを持つポリエステル長繊維だが、国産糸は苦戦が続いている。カーテン向けポリエステル長繊維市場は年間3万トン台(業界推定)。このうち国産糸は2万トン程度で「これはピークに比べると5分の1程度に縮小している」(東洋紡)という見方もある。
東レでは03年のカーテン用国産ポリエステル長繊維市場は10%減の月1700~1800トン、これに韓台からの輸入糸が同600トンで、合計同2500トンが国内消費量と見る。
カーテン向け素材の需要減は既製カーテンが糸調達から織布、染色、縫製まで中国での一貫生産に移ったことが大きいが、残された見本帳によるオーダーカーテンでも国産糸比率は下落し、「オーダーでも半分ぐらいしかない」(帝人ファイバー)とみる企業もある。
その背景の一つにはポリエステル長繊維メーカーがレギュラー糸を縮小していることがある。実はカーテン用ポリエステル長繊維は84T、167Tなど定番糸が中心。定番糸の縮小が国産糸のシエアを落とすことに拍車を掛けているともいえる。
最も反映した動きを示すのが帝人ファイバー。国産糸は差別化糸に、定番糸は海外から調達するなど住み分けている。国産糸は全販売量の7割、残る3割はタイ子会社からフルダル、複合加工糸など準差別化糸、インドネシア子会社からは定番の84T、167T、練り込み難燃ポリエステル長繊維「スーパーエクスター」もポリエステル仮撚り専業最大手の山越(石川県河北郡)からOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受ける体制を敷いた。
一方で、国産は「環境、安全、快適」をテーマに、ケミカルリサイクルによる「エコペットEC100」、マテリアルリサイクル素材の「エコペット」、偏平断面により透けない特徴を持つ「ウェーブロン」などに集中する。
現在、国産糸の30%がこうした差別化糸で、これを2~3年内に少なくとも50%に引き上げる計画だ。とくに、「エコペットEC100」はグリーン調達の動きを背景に販売量を伸ばしており、03年度はイス張り地も含め倍増の1500トンの販売量を見込んでいる。
東洋紡は国産糸のみで練り込み難燃ポリエステル「ハイム」を軸に、スパン調ポリエステルとカチオン可染糸との複合や衣料用の異収縮混繊糸など差別化糸に絞り込んでいる。
「ハイム」ではペットボトル再生タイプ「エコールハイム」などもラインアップし、グリーン調達へ対応する構え。コントラト向けで大きな武器になるからだ。こうした動きに対応し、東レもペットボトル再生ポリエステル「フルペット」にも力を入れる。
ただ、東レが前述2社と大きく違うのはテキスタイル、さらに製品OEMまで手がける点。カーテン向けの売り上げに占めるテキスタイル比率はすでに4割。これを5割まで拡大する。テキスタイル販売は生機中心に一部染め上がり品もある。同社がテキスタイルに力を入れるのはカーテンでは糸特性が価格に反映されにくく、「糸だけでは素材メーカーの存在価値が発揮できない」との判断からだ。




