04春夏シャツ生地傾向/吸水速乾性がさらに進化
2003年11月28日 (金曜日)
ドレスシャツに機能性が欠かせなくなった。忙しい日常のライフスタイルの中では、アイロンの必要のない素材を使ったシャツはありがたいものである。主にはポリエステルなどとのミックスだが、最近では綿の風合いを十分に体感したいとの消費者意識が強くなってきている。そこでこの機能性とナチュラル素材の風合いを融合させた現代ニーズにマッチした吸水速乾性能を基本にしたシャツ素材にスポットが当たってきた。
東洋紡/綿100%の肌触りに特色
東洋紡は、VP加工で高級商材にあたるプレステージゾーンのシャツ生地を開発、来春夏物から本格的に販売を始めている。機能性にこれまで縁のなかった新顧客を掘り起こす戦略の一環シャツ生地で、キーワードは“形態安定という機能性と高級感の出会い”。
すでに秋冬物から百貨店を中心に展開を始めた。立ち上がりでは数量的に少ないが、ウケは良いという。綿のソフトで自然な肌触りに加えて通常の素材に比べて約20%早く乾く、速乾性が支持される要因という。
VP以外では「ドライファースト」の名称のドレスシャツ向け生地を展開している。Y字型断面のポリエステルを使っているため“屋内干し”(同社での呼称)にも適している。この「ドライファースト」では表面変化にポイントを置いたドビーなどがトレンドになっている。
これまで形態安定シャツはアイロン掛けなどの負担を軽減するというのが一つのキャッチフレーズだった。しかし、素材は綿100%よりもポリエステル混が安定性もあり、ボリュームになった。だが夏場のムレ感や感触の悪さから改めて綿の良さが求められてきて、ニーズも高まってきた。
同社はこうしたニーズに応え、あえて高額・高級志向の綿形態安定シャツ生地を開発、現在、百貨店を中心に展開するシャツアパレルなどの中高級品コーナーで好評を博している。
また、カジュアルシャツでも綿50%・ポリエステル50%の先染め素材を使っての部屋干しタイプを来春から発売する。同社の中空ポリエステル「エアバーン」の軽さと吸水速乾性機能にも注目したい。
日清紡/「ノンケア」シャツ
日清紡は、綿100%のノーアイロンシャツ「ノンケア」を来春夏シーズン向けシャツ素材の柱にする。「ノンケア」は今年9月初旬から百貨店店頭に並び始めた。発表によると、製品化すると上代は晒しのドレスシャツで6900円、先染めポプリン7300円、同ドビーは7900円となる。
同社の計画では秋冬物20万枚、来春夏シーズン30万枚、3年後には250万枚の販売数量に達する見込みだ。シャツアパレルでは山喜が「リーガル・フレンド」で、CHOYAが「シャツファクトリー」でそれぞれ商品化している。
「ノンケア」は、世界最大の液体アンモニア処理能力を有する日清紡の美合工場で生産するウオッシュ&ウエア性3・5級以上(5回洗濯・吊り干しでシワがほとんど残らない状態のレベル)の綿100%生地を使っている。日清紡が伊藤忠商事、香港のタルアパレル社(TAL)と共同で開発したオール綿素材によるノーアイロンシャツ。
TALが特許を持つテープ縫製技術で縫い合わせ部分のシワのパッカリングを制御しながら製品化した。縫製は現在、日本国内と海外合わせて4工場で行われている。同社はこのノーアイロンシャツ生地は春夏シーズンに伸びるとし、来年は100万枚以上の伸びは確実としている。機能性はその肌ざわりにあり、通常のシャツ生地に比べて高値だが、この点を差別化していく。
さらに「クールコット」の名称で、ボリューム感のあるシャツ生地をシリーズ化している。来シーズンは綿麻混が比較的好調な動き。柄は引き続きドビー人気に見られるように、表面変化が顕著だという。
シキボウ/忙しいライフスタイルに「早乾」綿、ポリエステル
シキボウは04春夏シャツ素材展開に臨み、東レと共同による「早乾(はやがわき)」を全面に打ち出す。これは乾燥時間が約4割も短縮できるという、衣料製品企画。シキボウがこの企画に合う織と編みを、主にはドレスシャツのほかにカジュアルパンツやポロシャツ、インナーにも向ける。
「早乾」は、その製品が洗濯乾燥後の臭気発生領域を発見し、対象となる領域を避ける。これは避ける作用が働くポリエステル綿混織・編み物を使っているからだ。通常のポリエステル綿混の規格品に比べると平均で約4割乾燥時間を短くできる。
素材からの乾燥機能があるため室内外を問わずに早く乾く。室内干しには、湿った洗濯物が雑菌を繁殖して放つ異臭も防止する。
同社では当面、ポリエステル綿混(混紡、交織、後編)の生地販売を行う。東レによるポリエステル100%の生地販売、シキボウによる綿100%の展開も考えている。
同社は「早乾」のほかにも「ルームドライ」でボリューム対応素材の打ち出しも行い、来シーズンはこの2本柱で臨む考えだ。
「ルームドライ」はシキボウ単体としての打ち出しで、“部屋干し”対応型商材になっている。いわゆる値ごろ感を訴求するものである。
街コレ(メンズ)
ドレスシャツの色、柄、スタイルなどの好みで性格が分かるほどにビジネスマンにとって重要なコーディネートアイテムであるシャツ。カジュアルでも同様に着こなしの重要な部分を占める。レイヤード(重ね着)ルック、ニット、Gジャン、カバーオール、ダウンベストなどいずれもインナーのシャツが決まれば全体のコーディネートがサマになるものだ。最近の街コレメンズの姿をショットした。




