柔軟EVOH系新樹脂開発/クラレ

2003年12月04日 (木曜日)

 クラレは2日、柔軟性と高度なガスバリア性を併せ持つEVOH系新樹脂を開発したと発表した。約10億円を投じ、岡山事業所に年産5000トンの新設備を導入し、04年9月から生産を開始する。

 同樹脂はEVOH樹脂「エバール」をベースに、独自の反応技術によって「エバール」の弱点であった硬さを解消したもの。ガスバリア性を維持しながら柔軟性、弾力性を両立させた。食品包装や工業材料用などに販売する。07年度には1万トンにまで拡大し、「エバール」に次ぐ第2の柱に育成する考えだ。

 ガスバリア性樹脂は全世界で年7万トンの需要があり、年率2割で需要を拡大中。07年には10万トンに拡大する見通し。同社「エバール」は日欧米の世界3極で4万5000トンの能力。現在、欧州での増設中にあり、04年秋には5万7000トンに拡大する。