ジャパン・クリエーション04レビュー/祭からの脱却(12)IT
2003年12月25日 (木曜日)
望まれるビジネスモデル
今回からの新しい試みとして行われたのは、ITソリューションゾーン内に20小間を借りる形で併催された「繊維ファッションシステムフェア」だった。
しかしアパレルの企画・デザイン担当者や、企画機能を持つテキスタイルメーカーが主な来場者の展示会だけに、ネットワークや物流・店頭情報システムを出展したソリューションベンダーは、思うような成果が得られなかったようだ。
アパレル流通業向けSCMトータルソリューションを出展したあるベンダーは、「デザイナーや企画担当者が多いの
で、モノ作りの現場に焦点を当てたシステムのほうがJCには向いているようだ。当社のように経営ソリューションを提案する側としては、企業のトップが来場する展示会の方が望ましい」と話した。
他のソリューションベンダーもおおむね同様の感想を持っており、「SCM大会」を離れJCの集客力に期待した同フェアだったが、次回は「来場層」の観点からもう一段の見直しが迫られそうだ。
一方で、アパレル設計とサンプル制作の機器を出展したベンダーは、期待以上の成果を挙げたようだ。企画現場の担当者だけでなく、産学協同の流れで学生も多数来場し、「ユーザー予備軍」への訴求もできた。
最も賑わいを見せたブースの一つが、CADとCG、インクジェットプリンターを連動させたDPS(デジタル・プリンティング・システム)を出展した旭化成AGMS。「テキスタイルメーカーの来場が多いのでCGの関心が高い」とし、「小ロット即応生産のニーズが強いことを改めて認識した」と話した。
レクトラ・ジャパンも「前回をはるかに上回るコンタクトを得た」が、とりわけデジタルプレゼンテーションソフトが、アパレルだけでなく製造小売り、テキスタイルメーカーからも人気を集めた。川中自立が一つの隠れテーマだったJCだが、テキスタイルメーカーの意識は着実に進んでいることを実感したようだ。
唯一と言っていい新技術の展示としては、テンタックとサン・マイクロシステムズが「RF―ID」技術のソリューションを試験的に出展した。
話題の技術であり来場者の認知度はまずまずのようだったが、実用化に向けた標準化で様々な問題があり、両社とも技術紹介の範囲にとどまった。テンタックは「まだまだタグの値段が高い。環境整備が先」と話した。
全体を総括すると、JCにおけるIT提案は依然単発的であり、ビジネスモデルの提案が少ない。出展する機器を使うと「何ができるのか」を明確に示す展示が求められるところだ。




